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  Япония
 

ヌルスルタン・ナザルバエフ

カザフスタン共和国大統領・国家指導者の


カザフスタン国民向け教書

「戦略『カザフスタン2050』


成熟国家の新政策方針」


 
 
 
尊敬するカザフスタン国民の皆さん! 親愛なる同胞の皆さん!
 
本日、我々は独立記念日を前に集まりました。 我々が誇りを持ってこの偉大な記念日を祝うようになってから20年以上になりま
す。
1991年12月16日、我々カザフスタン国民は、主権、自由、世界への開放を選択し
ました。今日、これらの価値は、我々の日常生活の一部となりました。 この道を歩み始めた当時は、全てが大きく異なりました。現在、我々が共に努力
してきたおかげで、国は生まれ変わり、見違えるようになりました。 今日、我々は、自らの顔、特徴、立場を持つ、成功した国家です。 我々は大きな代価を払って最初の目標を達成しました。 我が国は20年以上、主権と政治的影響力の強化に取り組んできました。20年を経
てこの目標は達成され、国家の形成は成功に終わりました。 21世紀のカザフスタンは、独立し、自信を持った国です。 長期化したグローバル危機の影響により世界で起こっている変化が我々を脅かす
ことはありません。我々は変化に備えています。現在の我々の課題は、主権を得てか ら歳月をかけて我々が達成したもの全てを維持しつつ、21世紀に安定的な発展を続け ることです。
我々の主な目標は、2050年までに、強い国家、発展した経済、全国民の労働力を 基盤とした福祉社会を構築することです。
強い国家は、急速な経済成長の要件を確保する上で特に重要です。 強い国家は、生き残り政策ではなく、計画、長期的発展、経済成長の政策に取り
組みます。
このためまさに今日、独立記念日を前に、私は親愛なる同胞の皆さんに新たな教 書を発表するのです。
これは我が国の発展に関する私の展望ビジョンです。 これは、新たな政策方針です。

Ⅰ.成熟したカザフスタン:国家機構、国民経済、市民社会、社会的合意、地域リ ーダーシップ、国際的地位の危機の経験
 
15年前、我々は2030年までのカザフスタン発展戦略を採択しました。 それは1997年のことで、ソ連崩壊後の混乱がまだ完全に克服されておらず、東南ア
ジアや他の一部市場を経済危機が襲っていました。我々にとっても非常に困難な時代 でした。
この当時、我々の戦略は、灯台のごとく我々の道を照らし、主要な目標から逸れず に前進することを可能にしたのです。
1997年を覚えていますか? 国会での私の演説の後、動揺と当惑が見られました。
多くの人が「これはプロパガンダか?天の恵みの約束か?」と問いかけました。 この時掲げられた課題は、それほど野心的に思われたのです。 しかし、諺に言われるように「目は恐れ、手は行う」のです。 我々は、それまでの歩みを転換し、新しい国を建設するという、巨大な課題に直面
していました。 この課題を遂行するため、我々は、国家を建設して市場経済への躍進を実現する、
社会国家の基盤を築く、社会的意識を変革するという、3つの近代化を実施する必要 がありました。我々は、独自の道を確立する必要がありました。そしてこの道が戦略
「カザフスタン2030」に描かれていたのです。この文書は我々に戦略的目標と課題の ビジョンを示し、世界観を大きく変革させました。
格言にもある通り、正しく設定された目標のみが成功を導くのです。 我々が正しい選択をしたと表明することは、今日の私にとって大きな名誉です。2008
~2009年の世界経済危機も、このことを裏付けました。 カザフスタンは耐えました。経済危機は我々の成果を打ち砕くことなく、我々をよ
り強くしました。 我々が選択した国の政治、社会経済、対外政策の発展モデルは、有効であることが
証明されました。
 
1. 成功した強い国家 我々の主な成果は、我々が独立国家カザフスタンを築いたことです。 我々は法的に国境を確定し、国としての統合経済圏を形成し、国内生産ネットワー
クを新たに構築し、強化しました。現在では全ての地域が互いに不可分に結びつき活 動しています。
歴史的に重要な憲法および政治の改革が行われ、これにより権力分立に基づく近代 的な国家管理システムが構築されました。
国の新しい首都アスタナを建設しました。この近代的な都市は、我々のシンボル、 誇りとなりました。我々は、世界に我が国の可能性を示すため、首都のポテンシャル を活用することができました。その結果、国際社会は世界博覧会「EXPO-2017」の会 場としてカザフスタンを選んだのです。もしアスタナがなければ、これは実現してい なかったでしょう。このような名誉は誰にでも得られるものではありません。我が国 は、OSCEの議長国を務め、同首脳会合を開催し、地球規模の催しである「EXPO-2017」 を開催する、旧ソ連圏で最初の国になったと述べるだけで十分でしょう。
 
2. 民主化と自由化の安定的プロセス
我々は、「最初に経済、次に政治」という明確な原則に従って進んでいます。政治 改革の各段階は、経済発展レベルと一致します。このため、我々は政治的自由化の道 を首尾一貫して進むのです。国を近代化し、競争力を付けるには、これしかありませ ん。
我々の社会は一歩一歩、民主化および人権の分野で最も高い標準に近づきつつあり ます。
我々は国の憲法において基本的人権および自由を確立しました。今日、全てのカザ フスタン国民は等しい権利と可能性を持っています。
 
3. 多様な社会・民族・宗教集団の合意と和平 我々は、カザフスタンの国民、文化、言語の歴史的平等を回復しました。 民族、文化、宗教が多様でありながら、我々は国内の平和と政治的安定を維持しま
した。
カザフスタンは、140の民族および17の宗派の故郷となりました。 市民の平和と民族間の合意は、我々にとって非常に重要です。我々の多民族国家に
おける和平と合意、文化間・宗教間の対話は、グローバル・モデルとして公正に認識 されています。
カザフスタン民族総会は、ユーラシアにおける比類なき文化間対話のモデルとなり ました。
カザフスタンはグローバルな宗派間対話の中心地となりました。
 
4. 国民経済:国際分業における我が国の役割
我々は、CISで初めて、私有財産、自由競争、公開の原則に基づいた近代的な市場経 済モデルを築きました。我々のモデルは、外資誘致における国家の積極的な役割を基 盤にしています。
我々は、1,600億ドル以上の外資を誘致しました。 企業活動に必要な基本的条件と近代的な税制が整備されました。 我々は計画的に国民経済を多角化しています。加速的工業化プログラムにおいて、
私は「2回の5カ年計画で我が国の経済の姿を変え、国際資源価格の変動に依存しな いものとする」という課題を掲げました。
「戦略2030」採択後の15年間で、我が国は、世界の最も急速に発展する5カ国に入 りました。
2012年には、我々はGDP規模で世界の経済大国50カ国に入る見込みです。 世界の全ての国が自国の発展度合を確認するために使用する定評のある格付けがあ
ります。6年前、私は、世界で最も競争力のある50カ国に入るという国家的課題を設 定しました。現在、世界経済フォーラムの格付けでカザフスタンは51位を占め、目標 まであと一歩の位置にあります。
 
5. 社会的安定と合意を実現した強力な社会政策
国民の生活水準は、私にとって、これまでも、そして今後も一貫して主要な基準で あり続けます。
15年間でカザフスタン国民の所得は16倍に増えました。 所得が最低生活費を下回る国民の数は7分の1に減少し、失業者数は半減しました。 我々は社会志向型共同体の基盤を築きました。 我々は国民の健康の増進の分野で目覚ましい成果を達成することができました。 保健部門の効率性を向上するため、組織、運営、財政の制度が改革されました。 この5年間で妊産婦死亡率は3分の1近くに減少し、出生率は1.5倍に増加しまし
た。
等しく教育を受けられる機会も形成されています。 この15年間で教育支出は9.5倍に増加しました。就学前教育から高等教育までの全て
の教育レベルにおける根本的な改革を目指した教育発展国家プログラムが実施されて
います。 我々は、人的潜在力の発展に対する長期投資政策により、今日の才能ある若い世代
を育成しました。
 
 
6. 国際社会によって認められた国
我が国は、国際政治において、責任ある信頼されるパートナーであり、国際的権威 として認められています。
我々は、国際安全保障の強化における重要な役割を担っており、国際テロリズム、 過激主義、麻薬不正取引との闘いにおいて国際社会を支援しています。
我々はアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)の召集を呼び掛けました。アジア は、我々の安全保障にとって重要な国際的対話の場です。現在、CICAには、総人口30 億人以上を擁する24カ国が加盟しています。
この2~3年で、カザフスタン共和国は、欧州安全保障協力機構、上海協力機構、 イスラム協力機構、集団安全保障条約機構の議長国を務めました。
我々は、アスタナ経済フォーラムにおいて、新たな対話形式であるG-globalを提唱 しました。このイニシアティブの本質は、公平かつ安全な世界秩序の構築に全ての力 を結集することにあります。
我々は、国際的なエネルギー安全保障および食料安全保障に相応の貢献をしていま す。
 
 
7. 核不拡散体制の推進における我が国の積極的役割
核不拡散体制の強化における我々のイニシアティブは、世界の安定、秩序、安全保 障に確実に貢献しています。
我々は世界で初めてセミパラチンスク核実験場を閉鎖し、核兵器を放棄したこと で、米国、ロシア、英国、フランス、中国といった主要核保有国から、我が国の安全 に対する国際的な保障を得ました。
我々は中央アジア非核兵器地帯の設置において重要な役割を担い、中近東をはじめ とする世界の他の地域における非核兵器地帯の設置を積極的に支持しています。
我々は核テロリズムの脅威に対する国際社会の努力を支持しています。 現在、我々は、核の脅威の排除に向けた更なる決定的措置を講じる必要性を強く訴
えています。核拡散防止条約は、これまでも、そして今後も、不拡散体制の礎石であ り続けます。
包括的核実験禁止条約の早期発効は、不拡散体制を強化する重要な触媒となるはず です。
3年前、国連総会は、8月29日を核実験に反対する国際デーとする私の提言を支持 しました。
以上のことは、国際政治における我が国の役割を示すものです。 こうした責任ある政策により、カザフスタンは、不拡散体制のリーダー、他の国に
とってのモデルとして公正に認められているのです。
 
 
8. 戦略「カザフスタン2030」の主な成果
戦略「カザフスタン2030」において、我々は、我が国の成功を計画しました。 我々は一貫して粘り強く目標に向かって進んできました。2008~2009年、世界経済
危機がピークに達した時ですら、我が国経済は成長を続けました。 そして今日、多くの指標を期限前に遂行することができた「カザフスタン2030」の
成果を総括することは、私にとって非常に名誉です。
 
 
(1) 国家安全保障 我々は、領土を保全しつつ国を発展させるという課題に直面していましたが、計画
以上のことを実行することができました。 我が国は、歴史上初めて、国際的に認知された明確な国境を獲得しました。国境が
確定され、全長1万4,000kmとなりました。 カザフスタンは、カスピ海における自国の領海を確実に管理しています。 将来的に領土問題が発生する脅威はありません。我々は、隣国との係争地を子孫に
残しませんでした。 我々は、個人、社会、国家の安全を確保する、強力で近代的な防衛能力のある軍
隊、効果的な法執行制度を築き上げました。
 
 
(2) 我々は、140の民族と17の宗派が同居する国の内政安定および挙国一致を維持そ して強化しました。我々の政策は成功したのです。
我々は一貫して民主的発展モデルに基づく市民社会制度を整備しています。人権オ ンブズマン制度も設置されました。
かつて我が国には複数政党が存在しませんでしたが、現在、国内であらゆる政治勢 力を代表する複数の政党が活動しています。我が国には複数政党議会と議会多数派に
よる政府があります。 市民社会が成熟しつつあり、独立系マスコミが機能しています。1万8,000以上の極
めて多様なNPOが活動しています。約2,500のマスコミがあり、うち約90%が民間組織 です。
今日のカザフスタンは、文化間・宗派間対話の重要な国際的中心地です。 我が国で、世界の伝統的な宗教の指導者による最初の4回の大会が開催されました。 21世紀、カザフスタンは東西の対話と連携の架け橋となるでしょう。
 
 
(3) 外資と国内貯蓄の水準が高い自由市場経済を基盤とした経済成長 我々は、現実的、持続的かつ加速的な成長を達成するという課題を掲げました。我
々はこの課題を歴史的にみて極めて短い期間で遂行しました。 戦略「2030」では、経済成長に重点をシフトしました。 その結果、経済規模は15年間で、1997年の1兆7,000億テンゲから2011年には28兆テ
ンゲに拡大しました。 GDPは16倍以上に成長しました。1999年以降、カザフスタンのGDP年間成長率は7.6%
となり、中進諸国を追い越しました。 国民1人あたりGDPは7倍以上となり、1998年の1,500米ドルから2012年には1万
2,000ドルに増加しました。 カザフスタンは、当初から国民1人あたり外国直接投資額がCISで最も多く、今日で
は9,200ドルとなっています。 我々は、貿易高を12倍に、工業生産を20倍に増大させました。 石油の生産量は3倍、天然ガスは5倍に増加しました。我々は、資源収入を国家基
金に繰入れました。 これは経済的および財政的な変動の可能性から我々を守る頑丈な盾です。これは現
在および将来の各世代のための安全の保障です。 加速的工業化プログラムの枠内で、2010年以降、総額1兆7,970億テンゲ、397件の
投資プロジェクトが実施され、4万4,000人以上の雇用が創出されました。
「ビジネス・ロードマップ2020」プログラムでは、2年間で、融資総高1,012億テン ゲ、225件のプロジェクトが承認されました。
今日の我が国では、国民平均所得と経済が急速に成長しています。
 
(4) カザフスタン国民の健康、教育、福祉

国民の状態を根本的に変え、生活を改善することが極めて重要でした。施策の成果 は明白です。

平均賃金は9.3倍に、平均年金支給額は10倍に増加しました。 国民の名目現金収入は16倍に増加しました。 保健医療支出は毎年増加しています。1999年の支出額は460億テンゲでしたが、2011
年には6,310億テンゲとなりました。 児童リハビリセンター、母子センター、神経外科センター、救急医療センター、心
臓血管センターといった5つのイノベーション医療施設が含まれる医療クラスターが 設置されました。
国内の全ての地域において、質の高い医療を受けるために必要な条件が整備されて います。
遠隔地域に医療を提供する移動医療が急速に発展しています。 国家スクリーニングシステムは、初期段階での病気の発見や予防を可能とします。 医薬品の無償給付および割引の制度が導入されました。 この15年間で、人口は1,400万人から1,700万人近くまで増えました。 平均寿命は70歳まで延びました。 我々はアクセスしやすい質の高い教育の発展に向けた方針を一貫して進めています。
「Balapan」プログラムの実施により、我々は就学前教育の就学率を65.4%に上げる ことができました。
義務的な就学前準備が導入され、いまでは就学前児童の94.7%がこれを受けていま す。
1997年以降、全国で942の小中学校、758の病院および医療施設が建設されました。 我々は世界レベルの英才教育機関および技術専門学校のネットワークを拡大してい
ます。
この12年間で、高等教育を受けるための奨学金給付件数が182%増加しました。 我々は1993年にユニークな「Bolashak」プログラムを採択し、これにより8,000人の
才能ある若者が世界の最高水準の大学で素晴らしい教育を受けました。 アスタナには近代的な研究大学が建設され、国際標準に従って活動しています。
 
 
(5) エネルギー資源 カザフスタンの石油ガス産業は全ての経済部門を牽引し、他部門の発展を促してい
ます。

我々は、近代的かつ効率的な石油ガス部門および鉱業部門を構築しなければなりま せんでした。我々はこの目標を遂行しました。現在、我々は、今後の新たな経済部門 の確立のため、資源収入を運用しています。

GDPに占める石油ガス部門の割合は安定的に拡大しており、1997年の3.7%から2006 年には14.7%、2011年には25.8%まで増加しました。
我々は販売先を多様化し、地歩を強化することで、製品の特定の供給先に対する依 存率を下げました。
 
 
(6) 輸送、通信をはじめとするインフラ 我々はインフラ整備の課題を掲げましたが、これは実現可能なものでした。これま
でに、幹線道路、幹線鉄道、パイプライン、物流センター、ターミナル、空港、駅、 港など、産業・輸送・生活インフラの戦略的大規模施設が数多く建設されました。
これらは多くのカザフスタン国民に職を提供し、地域間および国際的な経済ネット ワークのシステムに我々を組み込みました。
固定電話、携帯通信、インターネットといった通信利用者数が年々増加しています。
「電子政府」は、国民と政府の相互関係を著しく簡易化しました。 この11年間で、道路部門の発展に1兆2,631億テンゲが投入され、4万8,000km以上
の一般道路と1,100kmの鉄道が建設および改修されました。 現在、我々は、西欧と中国西部を結ぶ幹線輸送回廊を建設し、新たなシルクロード
を復活させようとしています。 我々は、ウゼニ~トルクメニスタン国境間に鉄道を建設し、中近東諸国へのアクセ
スを開放しました。また、コルガス~ジェティゲン間に鉄道を建設して東の門を開放 し、中国および全アジア市場への道を整備しました。ジェズカズガン~ベイネウ間鉄 道建設にも着手しました。
 
 
(7) プロフェッショナルな国家 我々は、行政指令システムによる管理の伝統と最終的に決別し、近代的かつ効率的
な行政組織を形成する必要がありました。我々が構築した人材選考・昇進システムに おいては、全国民が等しい権利と機会を有し、国の行政に高水準の専門性と透明性を もたらしました。
我々は国の行政に一種の革命を起こし、さらには国民に対する行政サービスの質の 向上に発展させることに成功しました。
このように、戦略「カザフスタン2030」に掲げられた主要な課題は遂行され、他の 課題も現在実施中です。
***
 
 
今日、我々は「戦略『カザフスタン2030』は十分に機能し、近代的なカザフスタン が成立した。これは我々の団結と辛抱強い作業の成果であり、我々の意図と希望が実 現したものだ」と言うことができます。
我々は皆、自らの成果に誇りを感じています。 世界経済危機は、我々が国家や社会として成熟したことを証明しました。我が国の
国境、政治システム、経済モデルは、国内外において、もはや深刻な意見の相違や議 論の対象ではありません。
現在、我々は新たな課題に直面しています。我々は、我が国の今後の発展のベクト ルを長期的に強化しなければなりません。
 
Ⅱ.21世紀における10のグローバルな挑戦
 
現在、人類は新しいグローバルな挑戦に直面しています。 私は、我が国および地域にとっての10の主な挑戦を提示します。我々は、自らの発
展においてさらに成功する意向があるならば、これらの挑戦を考慮しなければなりま せん。
 
 
1. 第一の挑戦:歴史的時間の加速 歴史的時間は急激に加速しました。世界は急速に変容し、変化の速さは驚異的です。 この60年間で地球の人口は3倍に増加し、2050年までに90億人に達します。また60
年間で世界のGDPは11倍に拡大しました。 世界的な歴史的プロセスの加速は、常に各国にとって新たな無限の可能性をもたら
しますが、我が国がこれを全面的に活用したことを、私は誇りに思っています。 我々は、20年余の間に社会生活の全ての分野で非常に急速な近代化を実現しまし
た。他の多くの国が100年ないし150年を要したことを成し遂げました。 しかし、我が国には、近代化プロセスに加わらなかった社会層がいまだに存在しま
す。それは、客観的な原因によるものです。現在も、人々の精神状態や社会的期待に
影響を与える一種の不均衡が社会に存在するのです。 我々はこの不均衡を取り除き、全ての社会層に対して、近代化プロセスに加わり、
社会に自らの居場所を見つけ、新たな政策方針がもたらす可能性を全面的に活用する 機会を与える必要があります。
 
 
2. 第二の挑戦:世界的な人口不均衡
世界的な人口不均衡が日々先鋭化しています。世界中で高齢化の傾向がみられ、40 年後には60歳以上の人口が15歳未満の人口を上回ります。多くの国における出生率の 低さと高齢化は、人的資源の不足をはじめとする労働市場の問題を必然的に誘発しま す。
人口不均衡の拡大により新たな移民の波が形成され、世界中で社会的緊張が高まっ ています。
カザフスタンも一部地域で移民の圧力に直面しており、そこでは不法労働移民が地 域の労働市場の安定を乱しています。
また我々は、近い将来、国外への労働移民という逆のプロセスに直面する可能性が 十分にあり得ることも、認識する必要があります。
我々は、若い国民です。我が国の平均年齢は35歳です。このことは、我が国の人的 潜在力を維持し、世界に自らを正しく位置づける上で、我々に多大な可能性をもたら します。そして今日、我が国には、さらなる前進のための十分な基盤があります。
我が国には仕事があり、望めば誰でも仕事を見つけることができます。さらに、我 が国では、誰でも自分で起業し、自らを養うことが可能です。これは我々の大きな成 果です。
私は、皆さんを全国民労働社会へと導きます。そこでは、失業者は単なる手当受給 者とならずに新たな専門性を習得し、障害者は創造的活動に積極的に取り組むことが でき、そして企業は彼らに相応の労働条件を整備するのです。
我が国の若者たちは、学び、新たな知識を習得し、最新の技能を身に着け、知識と 技術を巧みにかつ効果的に日常生活において活用しなければなりません。我々は、そ のためにあらゆる可能性を創出し、最適な条件を確保しなければなりません。
 
 
3. 第三の挑戦:世界的な食料安全保障の脅威 世界の人口の急速な増加が食糧問題を急激に悪化させています。 現在、世界ではすでに数千万人が飢えており、約10億人が恒常的な食料不足に苦し
んでいます。食料生産に革命的な変化がなければ、この恐ろしい数字は増加の一途を 辿るでしょう。
我々にとっては、この挑戦に大きな可能性が潜んでいます。 我が国は、すでに穀物の輸出大国に数えられています。我が国にはクリーンで広大
な土地があり、環境に優しい食品を生産することが可能です。 我々には、農業生産で質的躍進を遂げる力が十分にあります。そのためには、新し
い国家的思考が求められます。
 
 
4. 第四の挑戦:深刻な水不足
世界の水資源も逼迫しています。 この60年間で、地球上の飲料水消費量は8倍に増加しました。今世紀半ばには、多
くの国が水の輸入を余儀なくされるでしょう。 水は非常に限りある資源であり、水源確保の争いは、地球上の緊張および紛争の原
因の1つとしてすでに重要な地政学的ファクターとなりつつあります。 我が国でも水の確保は深刻な問題となっています。我が国では良質の飲料水が不足
しており、多くの地域が深刻な飲料水不足に悩まされています。 この問題には地政学的側面も存在します。我々は、現在すでに、国境にまたがる河
川の水資源利用に関する深刻な問題に直面しています。この問題は複雑ですが、政治 化させるべきではありません。
 
 
5. 第五の挑戦:世界のエネルギー安全保障
全ての先進国が、代替エネルギーおよび「グリーン」なエネルギー技術への投資を 拡大しています。
2050年には、これらを使用し、全消費電力の約50%を発電できるようになります。 炭化水素資源経済の時代が終わりつつあることは、明らかです。人類の生命活動が、 石油・ガスだけに依存するのではなく、むしろ再生可能エネルギーに依存する、新し い時代が訪れます。
カザフスタンは、世界のエネルギー安全保障における重要な要素の1つです。 世界的水準の石油・ガスの膨大な埋蔵量を有する我が国は、エネルギー分野におけ
る確実な戦略的パートナーシップおよび互恵的国際協力の政策から一歩たりとも後退 しません。
 
 
6. 第六の挑戦:天然資源の枯渇
地球の天然資源には限りがあり枯渇するものですが、人類の歴史において前例のな い消費の増加は、マイナスおよびプラスの多様なプロセスを促すことになるでしょう。 我が国は、多くの優位性を有しています。神が我々に大量の天然資源を与えて下さ
いました。他の国々も、我が国の資源を必要とします。 我々にとって、我が国が有する天然資源に対する姿勢を考え直すことが非常に重要
です。我々は、天然資源の販売による収入を国庫に蓄えつつ、天然資源を正しく管理 することを学ばねばならず、最も重要なのは、我が国の天然資源を最大限かつ効率的 に、持続的な経済成長に転化することを学ぶことです。
 
 
7. 第七の挑戦:第三次産業革命
人類は、生産の概念自体を変える第三次産業革命を迎えようとしています。技術的 発明が世界市場の構造および需要を根本的に変化させます。我々は、すでに以前とは 全く異なる技術的現実に生きているのです。
デジタル技術、ナノ技術、ロボット技術、再生医療など数多くの科学的成果が、環 境だけでなく人間自体を変容させ、日常的な現実となります。
我々は、このようなプロセスに積極的に関与しなければなりません。
 
 
8. 第八の挑戦:社会的不安定の増大
現在、社会的不安定の高まりが世界的な問題の1つとなっています。その主な原因 は社会的不平等にあります。
今日、世界では約2億人が仕事を見つけられずにいます。欧州連合ですら失業率が この数十年で最も高くなっており、数多くの大衆的騒動を煽っています。
このような現状において、カザフスタンの状況を見ると、十分にうまくいっている と認めねばなりません。現在我が国の失業率は、近代史を通じて最も低い水準にあり ます。これは間違いなく大きな成果です。それでも我々はこの成果の上に胡座をかく ことはできません。
社会政治的な危機に転移するグローバルな経済危機は、不可避的にカザフスタンに 圧力を加え、我々の堅牢さが確かめられることになります。
社会安全保障や社会的安定の問題をアジェンダに載せるのは、このためです。我々 の社会における社会的安定を強化することが、我が国の重要な課題です。
 
9. 第九の挑戦:文明の価値の危機
世界は、世界観および価値観の危機にあります。文明の衝突、歴史の終焉、多文化 主義の崩壊を告げる声が、頻繁に発せられています。
我々は、長年の価値観を守り、この世界観に関する論争に加わらないことが重要で す。我々は、自らの経験により、アキレス腱と呼ばれた多民族性と多宗教性をいかに して優位点に変えたかを知っています。
我々は、多様な文化と宗教の共存に生きることを学ばねばなりません。我々は、多 様な文化と文明の対話を支持しなければなりません。
我が国は、他国民との対話によってのみ、将来の成功と影響力を獲得することがで きるのです。21世紀、カザフスタンは地域のリーダーとしての立場を強化し、東西の 対話と連携の架け橋とならねばなりません。
 
 
10. 第十の挑戦:新たな世界的不安定の脅威
我々は皆、今世界で起きていることを目の当たりにしています。これは新たな危機 の動きではなく、2007~2009年の危機の延長であり、世界経済はまだそこから脱して いないのです。
世界の経済システムが、2013~2014年にも深刻な停滞に陥り、何よりも世界的な資 源価格の崩壊を引き起こす可能性があります。我々にとって、こうしたシナリオは極 めて望ましくありません。
欧州連合および、または米国で起こりうる景気後退が、先進国の資源需要を低下さ せる可能性があります。
ユーロ圏のわずか1カ国の潜在的デフォルトが「ドミノ効果」を誘発し、我が国の 外貨準備の維持と輸出の安定性を揺るがす可能性もあります。
外貨準備の削減は為替圧力およびインフレ圧力を高め、社会経済状況に悪影響を及 ぼす可能性があります。
従って、我々は、あらゆる国際情勢の進展シナリオに万全に備えるべく、行政、国 家、社会の全部門により熟考、合意、調整された方針を策定する必要があります。

Ⅲ.戦略「カザフスタン2050」:急速に変化する歴史的状況における新しいカザフ スタンのための新政策方針
 
 
1. 課題の新たなパラダイム 我々が解決すべき課題のパラダイムは質的に変化しました。 新たな挑戦を然るべく受け入れるためには、もはや戦略「カザフスタン2030」の枠
組みでは不十分です。我々は計画の範囲を広げ、15年前のように、世界観を変革する ことが重要です。
第一に、カザフスタンは近代国家です。我々の社会は成熟しています。従って、現 在のアジェンダは、国家成立段階のものとは異なります。
世界で起きている変化の特徴と大きさ、グローバルな相互依存性は、安定した長期 的発展を求めています。多くの国が、すでに2030~2050年の先を見ようとしていま す。「コントロールできる予測」が、この不安定な時代において、国家発展の重要な 手段になろうとしています。
第二に、戦略「2030」は国家が成立しようとする時期のために策定されたもので、 基本的な指標は遂行されました。
第三に、我々は新たな現実から生じた脅威と挑戦に直面しています。これらは普遍 的で、全ての国と地域に波及するものです。
我々が戦略「2030」を策定していた時には、前例のない大規模な世界金融経済危機 が起こり、その結果として全く予想されなかった経済的・地政学的状況がもたらされ るとは、誰も予測しませんでした。
戦略「2030」は、1997年に変更可能な文書として作成されたものです。我々は当初 から修正の可能性を見込んでいました。
世界情勢は変化するものであり、現実は修正を伴うものであることから、私の指示 によりワーキング・グループが設置され、新たな条件下における我々の状況および新 たな戦略を検討する作業に取り組みました。
ワーキング・グループの検討結果を考慮し、戦略「2030」の課題遂行を受け継ぐ 2050年までの新たな国家政策方針を定めることを提案します。我々は、戦略「カザフ スタン2030」と同様に、時代と状況が我々の計画に修正を加えるであろうことを明確 に理解する必要があります。
2050年というのは、単なる象徴的な期日ではありません。 これは、今日、国際社会が目指している現実的な期日です。

国連は、2050年までの文明の発展に関するグローバルな予測をまとめました。 国連食糧農業機関は、2050年までの予測報告書を公表しました。 現在、多くの国々が、こうした長期戦略を立案および採択しています。中国も、戦
略計画の期間を2050年までと定めました。 大手多国籍企業も、半世紀先までの発展戦略を策定しています。 戦略「2030」が採択された15年前、我が新生国家で誕生したカザフスタン国民の第
一世代がようやく就学しようとしていました。 今日、彼らはすでに働いているか、大学を修了しようとしています。 2~3年後には、独立後の第二世代が誕生し始めます。 従って、我々は、彼らに確実な目標を与えることを今から考えねばなりません。 我々の主要目標は、2050年までに世界の最先進国30カ国に入ることです。 我々の成果と我々のカザフスタン発展モデルが、新たな政策方針の基盤となるはず
です。
戦略「カザフスタン2050」は、戦略「カザフスタン2030」の新段階における調和的 発展です。これは、我々は誰で、どこへ向かうのかという疑問、そして2050年にどこ にいたいかという疑問への回答です。若い世代が関心を持っているのは、まさにこの ことだと確信しています。
以上のことから、私は2050年までの新たな国家政策方針案を提案します。これはカ ザフスタン国民に対する私の教書にもなります。
 
 
***
 
 
2. 我々はどこへ向かうのか:新政策方針の目標 カザフスタンは、2050年までに世界の先進国30カ国に入らなければなりません。 このポストを巡る開発途上国間の競争は厳しいものとなるでしょう。日の当たる場
所は最も強い者にのみ与えられることを明確に意識し、国はグローバルな経済競争に 備える必要があります。
我々は、以下の最重要目標を見失わずに、目的意識を持って精力的に活動しなけれ ばなりません。
•     国家体制の更なる発展と強化
•     経済政策の新原則への移行
•     国民経済の原動力である企業活動の全面的支援
•     新しい社会モデルの形成
•     近代的で効率的な教育・保健システムの構築
•     国家機関における責任、効率、機能性の向上
•     外交・防衛政策を新たな挑戦に合わせること 今日、私は、新政策方針2050のスタートを成功させるための2013年の最重要課題も
提示します。 これらの課題に従い、政府は2013年の全国アクション・プランを早急に立案しなけ
ればなりません。 この非常に重要な文書は、具体的な指令を含み、行政・立法・司法当局の各指導者
の個人責任を定めるものでなければなりません。大統領府は、この文書の策定と実施 の進捗状況を管理しなければなりません。
次に私は、戦略「カザフスタン2050」の基本方針につき、自らのビジョンを示した いと思います。
 
1.新方針の経済政策:利益、投資回収、競争力の原則に基づく包括的経済プラグ マティズム
 
1. 包括的経済プラグマティズム
新方針の経済政策の本質は、包括的経済プラグマティズムにあります。事実上、こ れは我々の現在の視点と手法を大きく変えるものです。
これは何を意味するのでしょうか? 第一:例外なく全ての経済的および行政的な決定を、経済的妥当性と長期的展望の
観点から下すこと。 第二:カザフスタンが対等なビジネスパートナーとして参加できる、新しい市場ニ
ッチの特定。新たな経済成長ポイントの創出。 第三:経済ポテンシャルの増強を目的とした良好な投資環境の整備。収益性および
投資回収率。 第四:効率的な民間経済部門の構築ならびに官民パートナーシップの発展。国家に
よる輸出促進。
 
 
2. 新たな人材政策
新たな経済政策を成功させる重要な条件は、人材によって補強されねばなりませ
ん。このため、我々には、以下のことが必要です。
•     管理部門の人材の強化。我々にはそのための資源があります。 国家機関に近代的マネジメント手法と企業経営の原則を導入する必要があります。
•     同時に、アウトソーシングにより我々の新方針の一部の課題を実現するため、外部 の人材に参加を求めるなど、国際分業による利益を引き出さねばなりません。ま た、我々はオープンな市場で優秀な外国人専門家を誘致し、我が国で働くよう招請 しなければなりません。 広い国際的経験と知識を持った管理職の採用により、二重の効果が得られます。我
が国の生産マネジメントを近代化するだけでなく、国内の人材を教育できるのです。 これは我々にとって新しい経験です。
 
3. マクロ経済政策の近代化
2050年までに、以下の課題を段階的に解決していくことが根本的に重要です。
 
3.1. 予算政策
•     我々は予算政策の新しい原則で武装しなければなりません。それは、可能な範囲で のみ支出し、赤字を可能な限り最小限に抑えるというものです。万一に備えて資産 を増やしつつ、その長期的な維持を確保する必要があります。
•     予算財政手続きに対する姿勢を、民間投資に対するのと同じように、慎重かつ熟考 されたものにする必要があります。つまり、1テンゲの予算も浪費してはならない ということです。
•     経済多角化やインフラ整備など、長期的観点からみて生産的なプロジェクトに国家 予算の重点を置かなければなりません。 投資対象は、投資の妥当性および回収率に基づき、厳しく選定することが不可欠で
す。たとえ最新の設備であっても、維持費がかかるのに収入をもたらさず、国民の問 題を解決しないならば、予算の負担になるということを認識することが重要です。
 
 
3.2. 税務政策
•     生産および新技術の分野において、優遇税制を導入することが不可欠です。その作 業は開始されていますが、これを完了し、現行の全ての税制優遇措置について審査 を実施し、これらを最大限に効果的なものにするよう指示します。
•     我々は、税制自由化と税関システム化の政策を継続しなければなりません。税務申
告を簡略化し、最小限にする必要があります。 我々は市場参加者に対して、脱税の方法を考えるのではなく、競争に励むよう促さ
なければなりません。
•     税務調査のプラグマティックな縮小は、事業者と税務当局の対話を最小限に抑える はずです。今後5年間で、オンライン電子申告制度に全面的に移行する必要があり ます。
•     2020年以降、税額控除制度を導入しなければなりません。その主な課題は、事業主 の積極的な投資を促すことにあります。
•     新たな税務政策は、社会志向であるべきです。そのため、2015年以降、本人、家 族、社員の教育および医療保険のために資金を支出した企業や国民に対する非課税 などの施策を検討する必要があります。 このように、今後の税務政策は、企業レベルでは国内成長ならびに外国市場への輸
出を促し、国民レベルでは貯金、貯蓄、投資を促すものでなければなりません。
 
 
3.3. 金融政策
•     世界経済の不況を考慮し、我々はカザフスタン国民一人一人の所得を保護し、経済 成長にとって支障のないインフレ水準を維持しなければなりません。これは単なる マクロ経済の問題ではなく、国の社会安全保障の問題です。2013年以降の政府およ び国立銀行の業務における主要問題です。
•     一方で、カザフスタンの各銀行は、自らの使命を遂行し、実体経済部門に必要な融 資を供給しなければなりません。同時に、金融システムの監督を怠ってはならず、 銀行の不良債権をなくし、資金調達の問題に真剣に取り組む必要があります。その ため、国立銀行と政府は、大統領府の調整の下、経済に必要な資金を確保すべく新 たな概念の金融政策システムを検討しなければなりません。
 
 
3.4. 政府債務および対外債務の管理政策
•     我々は、我が国の政府債務水準を常に管理しなければなりません。 財政赤字を対GDP比で2013年の2.1%から2015年には1.5%まで減らす必要がありま
す。
政府債務を適度な水準にとどめておく必要があります。これは根本的な課題です。 世界的に不安定な状況において、我々が国家予算の安定と国家の安全を確保するに は、これ以外に方法がないからです。
•     政府系経済部門の債務水準を厳しく管理する必要があります。
 
 
インフラの整備
 
 
インフラ整備に対する我々のアプローチを根本的に新しくしなければなりません。 インフラは経済成長の可能性を広げるはずです。国民経済をグローバルな環境に統
合する、また国内の地方へ移動するという、2つの方向性でインフラを整備する必要 があります。
•     入念に利益を計算しつつ、カザフスタン国外に生産・輸送施設を建設するため、国 外進出に注目する必要があります。我々は、既成概念の枠を超え、たとえば海に面 した国々における港や世界の輸送拠点における輸送ハブなど、欧州、アジア、アメ リカなど世界中に合弁企業を設立しなければなりません。こうした目的から、特別 プログラム「グローバル・インフラ統合」を立案する必要があります。
•     我々は、我が国のトランジット能力を強化しなければなりません。現在、一連の大 規模な全国的インフラ・プロジェクトが進行中で、その結果、カザフスタンを経由 するトランジット輸送は、2020年までに2倍、2050年には10倍に拡大する見通しで す。
•     最優先課題は、我が国の製品およびサービスに対する長期的需要が見込まれる世界 市場のみに向けた輸出の促進です。
•     インフラ整備も、利益の原則に従わなければなりません。建設により新しい事業が 発展し、雇用が創出される場所にのみ、建設する必要があります。
•     我々は、国内の遠隔地域および過疎地域に、生活する上で重要な、また経済的に不 可欠なインフラ施設によって「カバー」するための「インフラ・センター」を設立 しなければなりません。そのためには、まず交通インフラの整備が不可欠です。
•     2013年中にインフラ整備国家プログラムを立案・採択するよう、政府に指示しま す。
 
国家資産管理システムの近代化
 
 
カザフスタン経済は、世界の中では大きくありません。これを非常に効率的に管理 する必要があります。国は1つの企業のように機能し、政府はその核でなければなり ません。
 
企業的思考の力は、全てのプロセスが総合的に検討されるという点にあります。あ らゆるレベルの行政担当者は、こうしたビジネス思考を学ばねばなりません。
もう一度繰り返します。単に国の予算を配分するのではなく、熟考し、よく調べた 上で投資することが必要です。
効率性の主な指標は、投資回収水準です。国の生産ポテンシャルをより早く拡大で きれば、カザフスタンはより早く、国際市場の付属物ではなく完全なプレーヤーにな れるのです。
•     新しい経済政策への移行の「牽引車」となるのが国家基金です。国民基金の資金 は、まず長期戦略プロジェクトに向けられねばなりません。2013年も国家基金の資 金蓄積が継続される予定ですが、この資金は極めて合理的かつ熟考した上で使用さ れねばなりません。
•     国家は国営企業を通じ、第三次産業革命により出現する部門を考慮して未来の経済 の発展を促進しなければなりません。国内産業で使用される最先端複合材料は、我 々が国内で生産しなければなりません。
•     政府は、情報技術分野のトランジット潜在力の発展を促進しなければなりません。 我々は、2030年までに、世界の情報の流れの2~3%以上がカザフスタンを経由す るようにしなければなりません。2050年までには、この数字を最低でも倍増させな ければなりません。
•     民間企業が自己資金を研究およびイノベーションに投資するよう促す必要がありま す。ただし、イノベーションの導入は非常に重要ですが、これが最終目標ではない ということを、特に強調させてください。我々の新技術が需要を獲得した時、つま り市場で求められた時に初めて、我が国は実際の利益を得ることができるのです。 さもなければ、イノベーションは金の無駄使いとなります。
•     特定の企業や部門を優先的に支援することはやめるべきです。我々は、社会的に重 要かつ戦略的な機能を果たし、その効果を自ら証明する部門のみを支援しなければ なりません。
 
 
天然資源管理の新システム
 
 
我々は、経済成長や大規模な対外政治・経済合意を実現するため、カザフスタンの 重要な戦略的優位として、資源を利用しなければなりません。
•     新たな金融危機が起きれば不安定化する国際市場への原料の輸出促進を、現段階で
可能な限り急ぐ必要があります。我々の主要輸入国が原料の調達を大幅に削減し、 価格が急落する可能性があります。我々の先見的戦略は、市場の不安定化が始まる までの短期間に資金を蓄えることを可能にし、この資金は後に国が世界的危機を乗 り越えるのを助けるでしょう。
•     技術革命は原料の需要構造を変えます。たとえば、コンポジット技術や新しい種類 のコンクリートが導入されれば、鉄鉱石や石炭の備蓄は価値を失います。このこと からも、現在の世界的需要を利用し、天然資源の採掘と世界市場への輸出の速度を 上げる必要があります。
•     我々は、炭化水素資源市場の大型プレーヤーでありつつ、代替エネルギーの生産を 発展させ、太陽光および風力を利用する技術を積極的に導入しなければなりませ ん。我が国にはそのための条件が全て揃っています。2050年までに、国内のエネル ギー消費量全体の半分以上が、代替エネルギーおよび再生可能エネルギーによって 賄われるようにしなければなりません。
*** もし国民が35年後にも資源収入を得たいと望むならば、今からこれに備える必要が
あります。我々は、どの大企業やコンツェルンも行っているように、今後の全ての作
業計画を立てるため、特別な戦略を策定する、つまり優先事項とパートナーを特定す る必要があります。
これは、我が国自身の歴史の主な教訓です。カシャガンに関する準備および交渉を 我々が開始したのは20年近く前ですが、成果が得られるようになったのはつい最近の ことです。
戦略策定の基本方針は、以下の通りです。
•     地域が投資誘致に関心を持つためには、地下資源利用のモラトリアムを廃止する必 要があります。
•     我々は、単なる原料供給から、エネルギー資源加工分野での協力および先端技術交 流に移行しなければなりません。2025年までに、我々は新しい環境基準に合致した 燃料および潤滑油を国内市場に完全供給しなくてはなりません。
•     我々は、最新の採掘・加工技術を我が国に提供する条件に限り、投資を誘致すべき です。我々は、我が国に最新生産設備を建設するという交換条件においてのみ、投 資家に我が国の原料の採掘および利用を許可すべきです。
•     カザフスタンは投資を引き寄せる地域の磁石となるべきです。我が国は、ユーラシ ア大陸で最も魅力的な投資先や技術移転先となるべきです。これは非常に重要で す。投資家に我が国の利点を示さなければなりません。
•     全ての採掘企業は、環境に無害な生産設備のみを導入しなければなりません。 親愛なる同胞の皆さん!
 
国民の未来と国家の安全のため、炭化水素資源の戦略的「備蓄」を確立する必要が あります。戦略的備蓄は国のエネルギー安全保障の基盤となります。これにより、景 気の変動が起こった場合に備えてもう一つの防衛部隊を編成することになります。
  
***
 
 
工業化の次フェーズに関する計画
 
 
2年後には、加速的工業・イノベーション発展プログラムの最初の5カ年計画が完 了します。
政府は、工業化の次のフェーズに関する詳細な計画を立案しなければなりません。 有望な技術分野の発展シナリオが不可欠です。
その結果、総輸出額に占める非原料輸出の割合が、2025年までに2倍、2040年まで に3倍に増加する見通しです。
そのためには何が必要でしょうか?
•     カザフスタンは、2050年までに、国内の生産設備を最新の技術標準に対応して全面 的に更新しなければなりません。 我々は、最も競争力のある部門において、国内生産者のための新たな市場ニッチ形
成の戦略を積極的に策定する必要があります。これにより、とくにWTO加盟の見込みに より考えられる産業空洞化の悪影響の可能性を回避できます。
国産品の競争力を強化しなければなりません。2012年1月1日から、カザフスタン、 ロシア、ベラルーシの参加する統一経済圏創設の実質的段階がスタートしました。こ の巨大な市場はGDP総額2兆ドル、1億7,000万人の消費者を擁し、我が国のビジネス に競争するということを教えてくれるはずです。この経済統合プロセスにおいて、カ
ザフスタンが政治的主権の一部たりとも失うことはありません。
•     我々は、輸出志向の非資源部門の拡大に力点を置き、新たな生産設備を整備しなけ ればなりません。
•     我々は、加速的工業・イノベーション発展国家プログラムの焦点を、工業設備の輸 入と技術交流に合わせなければなりません。そのためには、国際合弁企業および国 にとって有益なパートナーシップの構築・発展に関するサブプログラムが必要で す。
•     2030年までに、カザフスタンは宇宙サービスの世界市場における我々のニッチを拡 大し、すでに開始された一連のプロジェクトを完了させなければなりません。私が 念頭においているのは、アスタナの宇宙機組立・試験複合施設、宇宙遠隔探査シス テム、宇宙モニタリング・地上インフラ国家システム、高精度衛星測位システムの ことです。
•     2つの主要なイノベーション・クラスターであるナザルバエフ大学およびイノベー ション・テクノパークの開発を継続する必要があります。我々は低炭素経済への移 行を急ぐ必要があります。 2013年に、国際組織「グリーン・ブリッジ」を設立するとともに、アルマティ周辺
の4つの衛星都市をベースにGreen4プロジェクトの実施を開始するよう提案します。 アスタナで予定されているEXPO-2017が、国を「グリーンな」開発路線に移行させる
強力な刺激剤となるはずです。アスタナにおいて、世界の優れた科学技術の成果が紹 介されます。多くのカザフスタン国民が、我々の志向する「未来のエネルギー」を自 分の目で見ることができるのです。
*** 今、私は、第三次産業革命に対する国の備えを左右する非常に重要な問題を提起し
ました。
農業の近代化 農産品に対する世界的需要が拡大する中、農業の大規模な近代化が不可欠です。 世界の食品市場のリーダーとなり、農業生産を拡大するため、我々には以下のこと
が必要です。
•     作付面積の拡大。全ての国にこのような可能性があるわけではありません。
•     新技術の導入による収穫率の大幅な向上。
•     我々には、世界水準の畜産飼料ベース創設の大きなポテンシャルがあります。
•     我々は、エコロジーに力点をおく競争力のある国産ブランドを創出しなければなり ません。我が国の農業部門に対し、環境に優しい製品の分野においてグローバルな プレーヤーになるという課題を与えます。
 
農産品の加工と貿易における農場経営および中小企業の発展
 
これは最重要課題です。以下のことが必要です。
•     農作物の種類を変更し、科学、技術、経営の新たな成果を考慮して我々の伝統的な 畜産を復活させること。
•     大規模な輸出市場を獲得するため、どのような製品を大量生産すべきか決定するこ と。 施策の結果として、2050年までにGDPに占める農業生産の割合を5倍に増やさねばな
りません。 2013年には、政府に対して以下のことを指示します。
•     新たに2020年までの国家農業発展プログラムを採択すること。
•     2020年までに国による農業支援を4.5倍に増やすこと。
•     最新の農業技術を導入する中規模および大規模な農業生産を創出するための法的・ 経済的刺激策を検討すること。
•     土地が供与されてから所定の期間内に開墾が開始されなかった土地に対して高い税 率を課すこと。
 
水資源政策
我々は、大量の農業用水を必要とします。これに関連して、以下のことが求められ ます。
•     オーストラリアなど諸外国における水問題の解決に関する先進的なノウハウを入念 に調査し、これを我が国の条件に合わせて活用すること。
•     我が国の豊富な地下水を汲み上げて慎重に利用する最新技術を導入すること。
•     農業部門において総合的に節水技術に移行する。 我々の社会の意識を全般的に変える必要があります。我々は最も貴重な天然資源の
1つである水の無駄遣いを止めなければなりません。
2050年までに、カザフスタンは水問題を最終的に解決しなければなりません。 第一段階で2020年までに住民の飲料水確保の問題を、第二段階で2040年までに灌漑
用水の問題を順次解決すべく、水問題に関する長期国家プログラムを策定するよう政 府に指示します。
 
 
2.国民経済の原動力である企業活動に対する全面的支援
 
 
1. 中小企業の発展 国内企業活動は、新しい経済方針の原動力です。
経済に占める中小企業の割合は、2030年までに少なくとも倍増しなければなりませ ん。
我々は、人がビジネスに挑戦し、国が彼のために全ての問題を解決するのを待つの ではなく、国の経済改革の参加者となることができるような条件を構築しなければな りません。
一般的なビジネス文化の水準を向上させ、企業イニシアティブを促進することが重 要です。
そのためには、以下のことが必要です。
•     中小企業の合併および提携を奨励し、これを支援・奨励するシステムを創設するこ と。
•     地方ビジネス・イニシアティブの奨励ならびに最低限ではあるが厳しい規制によ り、国内市場を発展させること。
•     ビジネスにとって人為的な障害となっている国家公務員に対するより厳格な責任追 及制度の導入を検討すること。
•     我が国の統一経済圏参加や今後のWTO加盟など新たな現実を考慮し、国内生産者に 対する支援メカニズムを改善し、生産者の利益の保護および推進に必要な措置を講 じること。 現在の課題は、零細企業および個人事業主が中規模企業になるのに必要な条件と環
境を整えることです。 残念ながら、現在、中小企業の課税システムに存在する歪みが、中小企業の発展と
成長を妨げています。従って政府は2013年末までに、零細企業、小企業、中企業、大 企業の概念を明確に区分するよう、法律を改正する必要があります。その際に我々は 中小企業の負担を増やしてはなりません。

 
私は、カザフスタン国民の生活の安全に直接影響しない全ての許認可およびライセ ンスを2013年上半期末までに廃止し、通知状に代えるよう、政府に指示します。
提供する商品、業務、サービスの品質管理の問題を企業が自ら規制するよう、法的 な条件を整備する必要があります。我々は、多段階の判決システムを排除し、消費者 の権利保護の新たなシステムを整備しなければなりません。
2. 新たな官民パートナーシップのモデル「強いビジネス―強い国家」 官民パートナーシップの原則に基づく確実な対話を実現するため、ビジネスの統合
を継続する必要があります。これは、この新しい戦略の実施に全ての事業主を広く巻
き込むという課題を解決するものです。 世界の経験が示すように、商工会議所における事業主の統合は、経済効率の重要な
ファクターの1つであり、実際にこれが行われている所では、「強いビジネス=強い 国家」の原則が実現しています。
政府と「アタメケン」連合は、国家事業主会議所への強制入会のコンセプト・モデ ルを共同で検討しました。
このモデルは、技術教育、村落および企業城下町における小企業向け総合サービス 支援、対外経済活動の分野における国家機関の広範な権限と機能を、新たに設立され る国家事業主会議所に委譲することを可能にするものです。国家事業主会議所は、信 頼できる政府のパートナーとなります。
これに関連して、然るべき法案を立案し、来年の第1四半期に議会に提出するよ う、政府に指示します。
3. 民営化の新段階:国家の役割の変化 国家はその役割を変えねばなりません。我々には、大規模民営化の第二段階が必要で
す。
これは簡単なことではありません。国家と市場の責任の再配分を意味することにな るからです。しかし、経済の急速な成長を維持するため、我々はこれに踏み切らなけ ればなりません。
民間企業は、いつでも、どこでも、国家より効率的に活動しています。従って、我 々は、非戦略的な企業およびサービスを民間に委ねるべきです。これは、国内企業活

 
動を強化するための非常に重要な一歩です。 この方針の最初の一歩は、「国民IPO」プログラムの順調なスタートです。これは、
国の富の国民への分配です。カズトランスオイル株式会社は総額280億テンゲの株式を 公開しましたが、現在すでに応募が募集のほぼ2倍となっています。
 
 
 
3.社会政策の新たな原則:社会保障と個人の責任
 
 
我々の主な目的は、社会安全保障と国民の福祉です。これは社会の安定の最良の保 証です。
我々の社会では、時代の要請に応えられる、より効率的な新しい社会政策に対する 需要が増大しています。
世界の経験が示すように、理想的で万能な社会政策は存在しません。同様に、既存 の社会システムに全での国民が満足できる社会も存在しません。
社会安全保障と国民の福祉の問題を解決することは、カザフスタン国民一人ひとり に関係する、困難かつ非常に重要な課題です。従って、入念に検討されたアプローチ が求められます。
私は、我々が従うべき、そして社会的公正および社会保障の問題に対する我々のア プローチを修正する際に考慮すべき原則について、自分のビジョンを述べたいと思い ます。
 
 
1. 社会政策の新たな原則
1.1. 最低生活水準 国家は、特に世界的危機の状況下において、国民に最低社会基準を保証しなければ
なりません。 主な課題は、貧困を拡大させないことです。
全てのカザフスタン国民にとって、貧困が社会的展望であってはなりません。 我々は、国民のために、経済成長と予算に直接依存する最低社会基準と保証を確立
しなければなりません。 その中は、以下が含まれるべきです。
•     まず、必需項目リストを拡大し、教育・保健関連項目(失業者および就業不能者を 対象として、社会化の促進を目的とするものを含む)、健康な食事、健康な生活習

慣、知的欲求および情報要求の充足などを追加すること。
•     実勢価格に対応した必需項目のコスト算出(国内統計も整備の必要あり)。
•     生活の質に関する基準の、経済成長に応じた段階的な向上。
 
 
全ての社会保障分野の予算支出額は、これらの基準の遵守に基づいて決定されるべ きです。その結果、予算編成の透明性が向上し、我々の支出の目的がより明確になり ます。然るべき法律を立案するよう政府に指示します。
 
 
1.2. 特定社会支援 国家は社会扶助を必要とする層に対してのみ与えるべきです。 そのためには何をすべきでしょうか?
•     年金生活者、就業不能者、病気児童など、社会的弱者層を対象とする支援につき、 国家が全面的に責任を負う。
•     社会保障制度および年金制度を常に改善し、母子を全面的に保護する必要がありま す。
•     労働市場の需要と一致した明確な失業者教育・再教育プログラムが必要です。国家 は、失業者が新しい専門を習得し、再教育を受けることを条件に、失業者に対して 社会扶助を与えねばなりません。
•     雇用者が社会的弱者層を積極的に雇用し、賃金を支払うための条件を整備すること が重要です。これはまず、障害者に関係することです。世界の先進諸国ではそのよ うにしています。我々は、彼らが満足に労働できるような条件を整備しなければな りません。公的手当を受けるべきなのは、本当に働けない人だけです。障害者を雇 用し、彼らの労働条件を整備する企業は、奨励されなければなりません。
 
1.3. 地方における社会的不均衡問題の解決 我々は地域の発展における社会的不均衡の問題の解決に集中しなければなりません。
現在、多くの地域では、経済発展が脆弱なため雇用が確保されていません。国民の所 得水準に偏りが生じています。
(1) まず、地域発展分野における国家機関の業務調整を強化する必要があります。 課題は、全ての国家プログラムおよび部門別プログラムの実施と、地域発展に関す
る優先課題の解決を同調させることです。 政府は2013年上半期中に、地域の不可欠で有望なプロジェクトのリストを策定し、

コストを算出する必要があります。
(2) 昨年度、我々は企業城下町発展プログラムの実施に着手しました。新たな雇用 の創出、国民の社会問題の解決、企業の業務改善に、多額の資金を投じました。
我々は、現場における管理の質を高めます。この作業は私が自ら指揮します。 同時に、各地域の社会経済状況を均質にする新たな効果的メカニズムが必要です。 政府に対し、各州知事と協力して2013年に小都市発展プログラムを採択するよう指
示します。これは長期プログラムで、小都市を基盤に一連の産業プロジェクトを創設 するものです。小都市の課題は、各地域の専門特化システムの構築に貢献すること、 巨大産業集積の工業衛星都市となること、そして最終的には地域住民の生活水準を向 上し、村落の若者に職を提供することです。
(3) 我々は、国内各地域の労働市場に影響を与える移民問題を総合的に解決するた めの施策を講じなければなりません。
近隣諸国からの移民の流入に対する監視を強化する必要があります。 今後の課題として、我々は、国内の有能な人材が外国の労働市場に過剰に流出する
のを防ぐため、彼らにとって望ましい条件を整備する必要があります。 政府は2013年に、移民問題の解決に向けた総合計画を立案および承認しなければな
りません。
(4) 国境地域に特別な注意を払う必要があります。そのポテンシャルはまだ十分に 引き出されていません。国境地域を生活の場としてより魅力的にする必要がありま す。政府は2013年に各首長と協力して国境地区の開発に関する追加的措置を立案しな ければなりません。
 
 
1.4. 雇用労働政策の刷新 我々は、雇用の確保および賃金に関する政策を更新しなければなりません。
(1) 世界的不安定の主な脅威は、失業率の上昇です。一部のプログラムだけでなく、 国家プログラムや部門別プログラムなど、国内で実施される全てのプログラムが、実 際の就職斡旋に結びつかねばなりません。そのため、2013年の課題として、政府およ び各首長に以下を指示します。
•     企業活動の発展およびビジネス支援に関する、先に採択された全てのプログラムを 統合すること。
•     失業率および低所得者の比率が高い地域に予算資金を割り当てるメカニズムを検討 すること。

この更新されたプログラムの遂行を、首相および各首長の個人的な責任とします。 (2) 半年前、私の論文「社会的近代化:普遍的労働社会への20歩」が公表された
後、労働組合および労働規制に関する法律の策定が開始されました。我々の目的は、 企業活動の支援と労働者の利益の考慮を統合した、根本的に新しい労務管理モデルを 形成することです。
この法律が早期に発効し、全労働者の利益を守るため、その採択を急ぐ必要があり ます。
(3) 政府は、賃金に関する全く新しいアプローチの立案および賃金の不均衡の削減 に向けた施策を講じる必要があります。
 
 
***
 
 
2. 母性保護、女性への呼びかけ
母子保護は新たな段階における社会政策の最も重要な要素であると、私は表明しま す。
国家にとっても、私個人にとっても、母性は特別に配慮すべき対象です。
親愛なる女性の皆さん! 皆さんは家庭の支柱であり、すなわち国家の支柱です。
我々の国が将来どうなるかは、我々が今子どもたちに何を教えるかに直接かかって います。
何よりも、我々の娘たちの教育に大きな注意を払う必要があります。まさに彼女た ちは、未来の妻であり、未来の母であり、家庭の守護者なのです。
カザフスタンは世俗国家です。しかし、国家は、国民に良心の自由を与えながら も、我々の伝統や法律とは相容れない何らかの社会的基準を押しつけようとする自主 的な試みに対して、非常に厳しく抵抗します。
我々は、カザフスタンの女子たちが良質の教育を受け、良い仕事を得られ、自由で いられるよう、あらゆる条件を整えねばなりません。
彼女たちは、キャッシュカードを利用し、自動車を運転し、出世し、現代的な女性 である可能性を持たねばなりませんが、我が国でこれまで着られたことのない、我々 に馴染みのない衣服を羽織ったり纏ったりしてはなりません。我が国には、独自の文 化、伝統および慣習があるのです。

我が国では、「女子の道は細い」と言われてきました。女子の道、娘の道は細く、 これを断ってはなりません。女子、女性は我々の社会において常に対等の成員であ り、母親は最も尊敬される顔でした。
我々は、女性―母、妻、娘に対する無条件の敬意を取り戻さねばなりません。 我々は、我々の母性を守らねばなりません。家庭内の女性や子どもに対する日常的
な暴力が増加している状況が、私を不安にさせます。女性に対する不遜な態度は許さ れません。このような暴力は厳重に絶たねばなりません。
国家は、性奴隷という言語道断なケース、女性を商品として扱うことを、特に厳重 に絶たねばなりません。
我が国には多くの不完全な家庭があります。国家は一人で子どもを育てている母親 を支援しなければなりません。我々は女性たちにフレキシブルな就業形態を提供し、 自宅で働ける環境を整えなければなりません。法律、国家、そして私が女性の味方と なります。
女性の役割を向上させるため、我々は今後もあらゆる条件を整備します。現代のカ ザフスタンの女性は、出世を目指さなければなりません。
特に地方において、公務や社会的活動に女性を積極的に参加させる必要がありま す。女性による起業やビジネスのための条件を整備する必要があります。
 
 
3. 児童保護
平和な時代に我が国には数千人の孤児がおり、孤児院や養護施設は満杯状態です。 これは残念ながら世界的な傾向であり、グローバリゼーションの挑戦です。しかし我 々は、この傾向に抵抗しなければなりません。我が国および社会は、孤児の養子縁組 ならびに家庭型孤児院の建設を奨励しなければなりません。
女性と子どもに対して男性が極めて無責任であるケースが増加しています。これは 我々の伝統や文化に全く反するものです。
子どもは、特に傷つきやすく最も無防備な社会の一部であり、彼らに権利がないと いう状態は許されません。
国家のリーダーとして、私は一人ひとりの児童の権利を保護するよう要求します。 我が国で生まれた子どもは皆、カザフスタン人です。そして国家は彼らの面倒を見
なければなりません。 私は離婚に反対です。若者に家族の価値や離婚の有害さを教えなければなりませ
ん。これにより誰よりも苦しむのは子どもたちだからです。「父が羊を放牧できなけ

れば、子は子羊を放牧できない」。子どもたちの養育は、母親だけでなく両親の務め です。
しかし万一離婚してしまった場合には、父親は養育費を支払わねばなりません。国 家はシングルマザーを支援し、養育費不払いに対する罰則を厳しくしなければなりま せん。
子どもたちの養育は、未来への巨大な投資です。我々はこの問題をまさにこのよう に捉え、子どもたちに最良の教育を授けるよう努めねばなりません。
私は成長する世代に最良の教育を受ける多くの機会を与えるため、多くの力を注ぎ ました。「Balapan」プログラムが実施され、英才学校、ナザルバエフ大学、「Bolas- hak」プログラムが機能しています。
ご存知のように、ここに入れるのは訓練された児童または才能のある児童だけで す。子どもに知識と努力を教えるのは、親の義務です。
「全ての最良のものを子どもたちに」という標語が、全ての親にとって原則となる べきです。
政府に以下を指示します。
•     母子保護分野および家族・婚姻分野の法律を根本的に見直すこと。
•     母子に対する犯罪や当該分野の法律違反につき、最も軽微なものに至るまで、罰則 を厳しくすること。
•     出生促進策および子沢山支援のシステムを改革し、優遇税制、医療・社会サービ ス、労働市場における新たな可能性の提供など、金銭的支援および非金銭的支援を 含む総合的な施策を立案すること。これにより我々は依存心に終止符を打ち、積極 的に生活する女性が自身の力と可能性を信じられるよう支援しなければならなりま せん。
•     性差別を許さず、現場における男女共同参画および男女機会均等を保障すること。 この点については、第一に雇用主にお願いします。
 
4. 国民の健康:我々の輝かしい未来の基盤
4.1. 保健分野の優先課題 国家保健制度の長期的近代化の枠組みにおいて、我々は全国に医療サービスの統一
品質基準を導入し、医療機関における物資・機器の整備を改善および規格化しなけれ ばなりません。
最重要優先事項:

•     質の高いアクセス可能な医療サービスの提供。
•     可能な限り広範囲な病気の診断および治療の確保。
•     予防医療を病気予防の主要手段としなければなりません。国民を対象とした情報提 供に重点を置く必要があります。
•     「スマート医療」、遠隔予防・治療、「電子医療」のサービスを導入すること。こ れら新しい種類の医療サービスは、我が国のような国土の広い国で特に必要です。
 
4.2. 児童保健の新たなアプローチ
•     我々は、子どもたちの保健にかかる新たなアプローチの導入に関する問題を検討し なければなりません。16歳未満の全児童にあらゆる医療サービスを提供する必要が あると考えます。 上記を生活最低基準として法的に制定する必要があります。この一歩は、国民の保
健に対する重要な貢献となります。
 
 
4.3. 医学教育システムの改善
•     医療教育システムを根本的に改善すること。医大のシステムを中等専門教育機関の ネットワークに組み込まなければなりません。毎日の実習を教育課程に最大限に統 合しなければなりません。
•     医大の応用研究活動に第一級の重要性を与えること。高等教育機関にこそ人類の最 新の知識および技術的成果を集結しなければなりません。その例として、最大級か つ効率の高い医療センターである米国の大学病院を挙げることができます。この分 野においても、官民パートナーシップを発展させる必要があります。
•     民間医療を成長させるための条件を整備すること。全ての先進国で、医療サービス の相当の部分が民間で行われています。我々は民間病院・診療所に早期に移行する ための条件を整備しなければなりません。
•     医大および医療機関の国際認定の実施につき法律により制定する。
 
 
4.4. 村落における医療サービスの質 これまで、村落の医療サービスの質に対する非難の声は少なくありませんでした。
ちなみに我が国では全国民の43%が村落住民です。 4.5. スポーツ振興

国は、体育およびスポーツに特別の注意を払わなければなりません。健康な生活習慣 こそが、国民の健康の鍵です。しかしながら、我が国では、皆が利用できるスポーツ 施設・備品・設備が不足しています。そのため、政府および地方行政府は、体育およ び大衆スポーツの振興、中庭方式を含めた標準設計による体育健康施設の建設に関す る施策を講ずる必要があります。2013年にはこの作業を開始しなければなりません。
 
 
4.知識と専門技能:近代的教育・訓練・再教育システムの指標 競争力のある先進国となるために、我々は教養の高い国民にならねばなりません。 現代世界では、単に誰もが読み書きできるだけでは明らかに不十分です。我が国の
国民は、最先端の設備や最新の生産施設で作業する能力を常に習得する用意ができて いなければなりません。
また我々の子どもたち、成長する世代全体の機能的リテラシーにも大きな注意を向 ける必要があります。これは我々の子どもたちが現代の生活に適応する上で重要です。
 
 
1. 教育分野における優先課題
 
 
1.1. 「Balapan」プログラムの2020年までの延長 世界中で行われているように、カザフスタンは新しい就学前教育方法に移行する必要 があります。
ご存知のように、私が主唱した「Balapan」プログラムの主な課題は、子どもたちの スタート時点の可能性を均等にすることにあります。
プログラムが実施されてから、これまでに3,956件の新しい幼稚園およびミニセンタ ーが開設されました。
高い出生率や人口の増加が続いていることを考慮し、私は「Balapan」プログラムを 2020年まで継続する決定を下しました。就学前教育・保育を100%の児童に普及させる よう政府および首長に課題を課します。
 
 
1.2. 技術教育システムの発展 新方針「カザフスタン2050」を考慮し、2013年から、工学教育および国際的な認定書 の取得を伴う最先端の技術職のシステムを整備するよう、政府に指示します。
専門技術教育と高等教育は、国民経済において現在および今後求められる専門家の 需要を最大限に満たすことを第一に目指さなければなりません。これは国民の雇用問

 
題の解決にも大いに貢献します。 高等教育機関は教育機能のみにとどまるべきではありません。応用部門および研究
部門を新設あるいは発展させる必要があります。 我々が学術の自主性を保障してきた高等教育機関は、自らの教育プログラムの改善
にとどまらず、自らの研究活動を積極的に発展させるべきです。
 
 
1.3. 教育分野における社会的責任制度の整備 民間企業、非政府系組織、慈善団体、個人の社会的責任が、教育分野に強く反映され なくてはなりません。何よりこれは、学費を支払えない若者たちが相応の教育を受け られるよう支援することです。
以下が必要です。
•     中等・高等教育のシステムを発展させるため、官民パートナーシップのネットワー クを整備する。
•     多段階の奨学金システムを立案する。
•     各地域の専門性を考慮した研究・応用教育の専門教育機関のシステムを全国に構築 する。
•     大学2年生からの企業における生産実習を法的に義務付ける。
 
 
1.4. 教育手法の近代化 我々は、地域学校センターを建設しつつ、教育手法の近代化を図るとともにオンラ
イン教育システムを積極的に展開しなければなりません。
•     我々は、全ての希望者がアクセスできる遠隔教育やオンライン教育など、イノベー ション的手法・ソリューション・手段を国内の教育システムに集中的に導入しなけ ればなりません。
•     時代遅れまたは不要となった研究・教育科目を廃し、同時に需要の多い有望な分野 を強化する必要があります。
•     中等・高等教育における教育計画の方向性および重点を変更し、実務技能教育プロ グラムおよび技能資格習得プログラムを加える。
•     ビジネス志向の教育プログラム、教育課程、教育機関を設置する。
 
 
2. イノベーション研究発展の新政策
世界の経験が示すように、一国においてイノベーション生産のフルサイクルを再現

しようと試みることは、自転車を発明するのと同じことです。多大なコストがかかる 上に、常に成果が得られる生産的な活動ではありません。
成功するためには、何世代にもわたる研究者の経験、膨大な専門的情報と知識、歴 史的に築かれた研究機関に基づく、独自の学術的基盤が必要です。
全ての国が、新技術の先駆者となること、完全なイノベーションを構築することが できるわけではありません。我々は冷静にこのことを自覚しなければなりません。
従って、我々は、非常に現実的で最大限にプラグマティックな戦略を立てる必要が あります。
我々が集中すべきことは、費用のかかる研究・開発ではありません。 我々にとって必要なのは、我が国に不可欠な技術の移転とその技術を活用するための 専門家教育です。EXPO-2017は、このプロセスにきっかけを与え、将来の電力事業発展 のための新技術の選択において我々を助けるでしょう。
我々は若い国民であり、これを実現できます。 さらに我々は、大規模な国際研究プロジェクトに積極的に参加することが十分に可能 です。それにより、戦略的イノベーション分野における諸外国の研究に我が国の学者 の力を統合させることが可能になります。我々の目的は、グローバルな技術革命の一 端を担うことです。
•     我々は、2013年には完全な産学連携に向けた措置を講じなければなりません。技術 移転が可能な部門を明らかにし、大手地下資源開発事業者および国営企業の技術に 対する需要を喚起するよう、政府に指示します。
•     有望な国家クラスターの形成に向けた明確な「ロードマップ」を作成することが重 要です。
•     官民パートナーシップのための法的基盤の整備も急務です。課題は、現時点で最先 端の官民パートナーシップの手段とメカニズムを導入することです。
•     著作権および特許の問題を規制する法律の審査を行う必要があります。政府は2014 年末までに、これまでに登録された特許権と著作権につき、商品化の可能性を分析 しなければなりません。
 
尊敬する同胞の皆さん! 私は、我が国の若者たちに特に訴えたいと思います。
今日私が発表した新たな政治経済方針は、皆さんに優れた教育を提供すること、つ まりより良い未来を目指すものです。

 
私はカザフスタンの新しい世代である皆さんに期待しています。あなた方は、新し い方針の原動力とならねばなりません。
私は国家のリーダーとして、皆さんの教育と成長に欠かせない全ての条件を整備し ようと常に努めてきました。世界水準の大学、英才学校を建設し、「Bolashak」プロ グラムを創設しました。
現在、青年に関する国の政策の新たなコンセプトが策定されています。皆さんのた めのあらゆる条件が整備されます。
国は、皆さんに新たな可能性を提供するため、あらゆることをしています。あなた 方の両親は、そのような可能性を想像することすらできませんでした。
覚えておいて下さい。あなた方の個人的な成功は、あなた方の両親の成功であり、 あなた方の親類や近しい人々の成功であり、あなた方の家族の成功であり、あなた方 の全同胞の成功であり、我が祖国の成功なのです。
 
 
5.更なる国家機構の強化とカザフスタン民主主義の発展
 
我々の目的は、新しいタイプの国家体制を形成することです。それは、社会への奉 仕および国家機構の強化という新しい課題に応えるものでなければなりません。
 
 
1. 国家管理の新モデル
1.1. 国家計画・予測のシステム改善 計画やプログラムの立案に対する国家機関の責任を強化するという目標を課しま
す。そのため、政府に以下を指示します。
•     2050年までのカザフスタン発展戦略に関する私のビジョンを考慮し、国の活動の指 針となっている戦略文書を「リセット」する。
•     国家監査の導入に関するコンセプトを立案し、来年の国会に然るべき法案を提出す る。我々は、世界の最も先進的な経験に基づき、総合的な国家監査システムを立ち 上げる必要があります。
•     我が国の経済戦略を実現するため、国は危機的状況を有効に予測し、対策を講じる 必要があります。そのため、我々は多層的な不況対策システムを構築する必要があ ります。 我々は経済危機の可能性に備え、標準的な対策のパッケージを準備しておかなけれ

ばなりません。これは特に地方において重要です。このシステムを立案する際には、 これまでに私が述べた全ての課題を考慮する必要があります。
 
 
2. 地方分権
2.1. 中央・地方間の責任と権限の分配 地方分権の理念の本質は、権限および決定を下すために必要な資源を中央から地方政 府に委譲することにあります。
我々は、2013年中に、中央と地方の責任と権限の分配に向けた具体的な施策を講 じ、地方行政機関を強化しなければなりません。
地方政府の権限は、資金および人的資源によって補強されます。 社会および国民は、国の決定とその実施のプロセスに直接参加しなければなりませ
ん。地方自治体を通じて、住民が地方の問題を自主的かつ責任を持って解決すること を現実的に可能にする必要があります。
 
 
2.2. 地方自治発展コンセプト 私は、地方自治発展コンセプトを承認しました。これは、部落・村落レベルの自治
の質を向上させ、地域の問題への住民の参加を拡大させるものです。
 
 
2.3. 村長の選出 我々は村長に追加的権限を与え、部落における村長の影響力を強化します。
しかし同時に、我々は国民によるモニタリングや地方政治に対する国民の影響力を強 化する必要があります。そのため、私は州・市議会を通じて部落長を選任する制度の 導入を決定しました。2013年には専任が開始されます。
合計2,533名の首長が選出される予定ですが、これには、村長、集落長、50名の市長 が含まれます。
上記はあらゆるレベルの首長の総数の91.7%を占めます。 このように、我々は全ての首長に選任制を適用し、彼らは住民と直接的に協力し
て、地方の問題を解決するのです。 国民が地方における喫緊の問題の解決に積極的に参加し、地方政府の仕事をモニタ
リングする時代となりました。 政府は大統領府と協力して必要な法案を早急に立案するよう、また国会はこの法案
を優先的に採択するよう、指示します。

我々は文明的な道を歩み、全世界と共に、更なる社会の民主化に向けて進路をとら ねばなりません。
国会の権限を強化する我々の政策を継続する必要があります。 一方で、地方分権を、一定の権限を移管することができる新たな地方レベルの行政
機関を設置するだけのプロセスと見なすべきではありません。 地方分権化とは、何よりもまず国家管理システムの質的変化であり、地方レベルの
問題を解決するシステムの変化なのです。 同時に、地方分権が、権力の垂直構造の弱体化、行政規律や秩序の低下を招くべき
ではありません。このようなことを許してはなりません。地方首長も政府も、特別な 監視の下にこれを保持すべきです。
 
 
3. プロフェッショナルな国家機関の形成
私が本日宣言した原則に従い、国民および国家への奉仕を何よりも優先するプロフ ェッショナルな国家機関を形成しなければなりません。
我々は、採用選考や研修の手法の改善により、国家公務員の質を改善しなくてはな りません。
国家レベルの意思決定は、以下の要件を満たさなければなりません。
•     短期的な結果だけでなく、長期的な結果も考慮すること。
•     意思判断の相乗効果を考慮すること。
•     公正な競争のルールおよび企業活動の自由を確保すること。
•     国家公務員の職務に関するダブル・スタンダードを排し、公務員の活動を法律によ り明確に規制すること。
 
3.1. 行政改革の第二段階 新たな要件を考慮し、我々はすでに行政改革の第二段階を開始しています。 最初に改革するのは、国家機関です。私は新しい公務員制度に関する法律に署名し
ました。これは、汚職対策の強化、国家公務員採用の透明性向上、能力主義、つまり 優秀な職員が昇進する原則の導入を可能にするものです。
我々は、国家人事政策委員会を設置します。国家政策の具体的な方針の実現に責任 を負う全く新しい専門管理職として、「A」グループが形成されます。「A」グルー プに入るのは、州知事官房幹部、委員長、地区および市の首長です。「A」グループ 候補者の資格要件に関する大統領令案を作成するよう、大統領府に指示します。

今後、国家公務員は、行政機関の階層を一段ずつ上り、経験を積み、専門的レベル を向上させながら、出世の階段を一歩ずつ上っていかなければなりません。例外は、 設定された指標を超過達成している者、自らの能力を発揮している者、大きな成果を 保証する者についてのみ認められます。
このように根本的に新しい国家公務員の人事制度を2013年末までに導入するよう、 国家公務庁に指示します。
特に重点を置く必要があるのは、行政サービスの質の向上です。国家機関と住民と の関係における一方的で高圧的な態度をやめ、効率的で迅速な行政サービスを提供で きるようにすることが課題です。 最近、国会に法案「行政サービスについて」が提出されました。2013年第1四半期末 までにこれを採択しなければなりません。
我々は、国家機関を無駄な職務から解放し、国家機関の独立性を強化しなければな りません。政府は、2014年から導入される新たな地方予算編成システムとリンクさせ つつ、これを実施しなければなりません。
 
 
4. 国家機関と実業界の新たな連携システム 国家機関は実業界との新たな連携システムを構築しなければなりません。 我々はビジネスに介入したり「皆の手を取り誘導」したりすべきではありません。
我々はビジネスに明日への確信を与えなければなりません。事業主は自らの力に頼 り、国家は騙すことも守ることもしないということを知らねばなりません。事業主に 求められるのは、誠実に仕事をすることだけです。
そのために、我々は私有財産権に対する事実上の不可侵性を保障しなければならな いと考えます。第二に、契約上の義務の保護を保障する必要があります。
国家の義務とは、国民にビジネスを行う最大限の可能性を提供すること、つまり、 国内ビジネスのためのインフラを整備することです。
(1) 上記の目的のため、2013年には、国の法制度の近代化に向けた作業を開始する 必要があります。
法律は国の利益を守るだけでなく、急速に変化する国際的な法制度に調和しなけれ ばなりません。公法ならびに私法の全ての基本的分野における我が国の法制度の競争 力強化に向けた体系的措置を講ずるよう、政府に指示します。
(2) 2013年に大統領府と協力して以下を実施するよう、政府に指示します。
•      刑法および刑事訴訟法の改革を開始すること。経済的違法行為の合法化など、

人道化に重点を置く必要があります。
•刑事訴訟法典、刑法典、刑事行政法典、行政的違法行為に関する法典の4つの 新法典案を立案し、国会に提出すること。これらの重要な法律の採択により、刑事訴 訟手続が近代化され、我が国の法が現代の課題に然るべく対応できるレベルになりま す。
 
 
5. 無秩序に対する「ゼロ・トレランス」原則の導入 国家は無秩序に対するゼロ・トレランスの原則に従わねばなりません。 発展した社会は、快適な玄関口、整備された中庭、清潔な道路、愛想の良い顔な
ど、全てにおける規律と秩序を前提とします。 我々は、些細な違法行為、不良行為、文化的後進性を寛容すべきではありません。
こうしたものが社会の平穏を乱し、生活の質を低下させるからです。 無秩序や無制約の感覚は、より深刻な犯罪の土壌を醸成します。 些細な違法行為を許さない雰囲気は、社会安全保障の強化、犯罪対策に向けた重要
な一歩です。 我々は法的ニヒリズムを克服し、社会的秩序の維持に社会を巻き込む必要がありま
す。
我々は社会的破壊行為と就職可能性とを関連づける必要があります。我々は公共の 場での不良行為に対する罰則を導入し、これが身上書や履歴書に必ず反映され、採用 や出世に際して考慮されなければなりません。
以上全てが社会生活の規準とならねばなりません。
 
 
6. 汚職対策
国家と社会は、汚職に対する統一戦線を張らねばなりません。 汚職は単なる違法行為ではありません。汚職は国家の効率性に対する信頼を損な
い、国家安全保障に対する直接的な脅威でもあります。 我々は汚職という現象を根絶するという最終目標を達成するため、反汚職法の改正
等を含む汚職対策を大幅に強化しなければなりません。
 
 
7. 警察・諜報機関の改革 我々は警察機関および諜報機関の改革を継続しなければなりません。 我々は、これを行わずに、無秩序に対する「ゼロ・トレランス」の形成や汚職の根

絶という課題を解決することはできません。
(1) この3年間で、警察・諜報機関の一連の重要な改革が実施されました。これは 国家機構の強化に向けた重要な一歩です。警察・諜報機関の活動の法的基盤が整備さ れ、職務が明確に規定されました。活動の重複がなくなり、刑事政策は人道化されま した。
治安・国防機関の全職員に対する総合資格審査が実施され、10万人以上のうち1万 2,500人が審査に失格して解雇されました。
(2) 我々はこの作業を今後も継続します。 安全保障会議および政府と協力して以下を実施するよう、大統領府に指示します。
•     警察機関職員の報酬および年金額の引き上げに関する行動計画を作成するこ と。2013年から、特別称号に対する追加手当額を軍人階級に応じた俸給額の水準ま で増額するよう指示します。
•     警察機関の人事政策のコンセプトを立案すること。
•     最高資格審査委員会をベースに、警察機関の人事政策を担当する常設機関を設立す る。
•     大統領の警察・諜報機関幹部候補を形成する。
(3) 大統領府と安全保障会議は、政府と協力して省庁間作業部会を設け、2013年第 2四半期末までに今後の警察システム近代化プログラム案を立案するよう指示します。 (4) 憲法で保障された裁判を受ける権利の国民による行使は、法政策の最も重要な
問題です。 司法手続きの簡素化や、無駄な行政手続きの排除が不可欠です。新しい情報技術を
積極的に導入すれば、その実現は難しくありません。 同時に、裁判所の負担を軽減するため、裁判外紛争解決制度の整備を継続しなけれ
ばなりません。些細な問題にかかる紛争は裁判外手続きによって解決されるメカニズ ムを前提とする必要があります。
判決の不履行により、司法府の権威が揺らいでいます。かかる状況を根本的に是正 する措置を講じなければなりません。
(5) 国境警備局の大規模な改革を実施する必要があります。その活動の効率を著し く上げ、装備を近代化することが課題です。
そのため、安全保障会議は大統領府および政府と協力し、国境警備局の発展および 国境整備に関する中期特別総合計画を作成するよう指示します。

  

6.一貫性のある対外政策:国益の追求と地域および世界の安全保障強化
 
 
独立以降、カザフスタンは国際的プロセスにおける対等な参加者として成熟し、望 ましい対外関係を築くことができました。
我が国の優先課題は変わらず、ロシア、中国、中央アジア諸国といった隣国、そし て米国、欧州連合、アジア諸国とのパートナーシップの発展です。
我々は関税同盟および統一経済圏を強化します。 我々の喫緊の目標は、ユーラシア経済同盟を創設することです。これについて我々
は、問題はコンセンサスにより解決されるであろうと表明しています。政治的主権が 制限されることはありません。
我が国の対外政策におけるバランスとは、世界の諸問題において重要な役割を担 い、カザフスタンにとって実質的利益をもたらしている全ての国家との友好的で一貫 性のある関係の発展を意味します。
しかし、国際状況および地政学的環境は急速に変化しており、それも常に良い方向 に進んでいるわけではありません。北アフリカおよび中近東から北東アジアに至るま で、不安定の巨大な弧が広がっています。世界的レベルでも、各地域においても、力 のバランスが大きく変化しています。その結果、国連、OSCE、NATO、CSTO、SCO、CICA 等の地域安全保障メカニズムの役割が増大しています。中央アジアにおいては、国家 安全保障の新たな脅威が出現しました。
こうした状況の下、カザフスタンの対外政策は、内政と同様に更新する必要があり ます。
 
 
1. 対外政策の更新における優先事項
•     地域および国家の安全保障の全面的な強化。
•     経済・通商外交を積極的に展開すること。
•     文化・人文分野、科学・教育分野、その他の関連分野における国際協力の拡大。
•     国外におけるカザフスタン国民およびその個人、家族関係、実務的な利害の法的保 護の強化。
 
1.1. 経済・通商外交の発展 国益の対外政策的追求は、非常にプラグマティックな原則に基づいて進めるべきで
す。

我々の課題は、対外政策の多様化、経済および貿易にかかる国益を保護および追求 するための経済・通商外交の展開です。
 
 
1.2. 地域安全保障の強化 我々は今後も地域安全保障に対する責任を自覚し、中央アジアの安定に貢献しなけ
ればなりません。 我々の課題は、地域紛争の前提条件の排除に最大限協力することです。
•     中央アジア安定化の最良の手段は、地域内統合です。我々は、まさにこの方法によ り地域内に紛争が起こる潜在的可能性を削減し、喫緊の社会・経済問題を解決し、 水、エネルギー等に関する対立を緩和することができるのです。
•     我々の声が世界中に届かなければなりません。そのため、私はアスタナ経済フォー ラムにおいてG-globalという新たな対話形式を提案しました。 新たな時代の挑戦を単独で克服できる国は、世界のどこにもありません。私のイニ
シアティブの本質は、公平かつ安全な世界秩序の構築に全ての力を結集することにあ ります。
 
 
1.3. グローバルな安全保障の強化への貢献 我が国は今後も全ての先進的な国際イニシアティブを支持し、グローバルな安全保
障に貢献しなければなりません。
•     カザフスタンは全ての関係国および近隣諸国と共に、アフガニスタンの早急な政治 的安定と復興を目指します。
•     イスラム協力機構(OIC)の正式加盟国であるカザフスタンは、中近東地域の平和 的な安定化プロセスを切に望んでいます。アラブ・イスラム世界の解放された大衆 のエネルギーを建設的な方向に向け、地域の社会・経済問題の解決に活用すること が重要です。
•     我々はアジア・太平洋地域諸国と早急に経済的接近を図らなければなりません。こ れは我々に経済的利益をもたらすだけでなく、我が国の対外政策のバランスを強化 することにもなります。
 
1.4. 防衛能力および軍事ドクトリンの強化 カザフスタンは防衛力および軍事ドクトリンを強化し、様々な防衛抑止メカニズム
に参加しなければなりません。

•     国家防衛モデルを立案しつつ、我々は諸外国および各組織と協力しなければなりま せん。
•     カザフスタンはCSTO加盟国と緊密に協力し、集団緊急展開軍の可能性および戦闘能 力の強化を図ります。
 
7.新しいカザフスタンの愛国主義:多民族・多宗教社会の成功の基盤
 
 
この分野における我々の主な目的は単純明快です。我々は社会の合意を維持および 強化しなければなりません。これは、国家として、社会として、国民として、我々が 存在する上での絶対条件です。
カザフスタンの愛国心の基盤は、全国民の対等な権利と祖国の名誉に対する平等な 責任です。
今年のロンドン・オリンピックにおいて、我が国の選手たちは205の参加国・地域の うち12位を占めました。
我々のチームは、多民族国家カザフスタンの代表チームとして、数多くの民族が強 く結束した家族として、出場しました。
オリンピックでの勝利は国民を一層強く団結させ、愛国心の偉大な力を示しまし た。大衆スポーツにもエリート・スポーツにも、総合的・体系的アプローチが求めら れます。健康な国民のみが競争力を高めることができるからです。
世界の先進的な経験を考慮し、大衆スポーツおよびエリート・スポーツの振興プロ グラムを立案するよう、政府に指示します。
 
 
1. 新しいカザフスタンの愛国主義
将来への確信がなければ、しっかりした国家を建設することはできません。国家と 国民の目標が全ての基本的な方向性において一致していることが極めて重要です。こ れは国家の主要な課題です。
国民は、展望がある時、そして発展および個人的・専門的成長の可能性がある時の み、国家を信頼します。
国家と国民はこのことを自覚し、協力しなければなりません。 新しいカザフスタンの愛国主義を自分にも子どもたちにも教える必要があります。
それは何よりも、国家とその偉業に対する誇りです。 しかし今日、成熟国家の新段階において、このような理解ではもはや不十分です。

我々はこの問題をプラグマティックに捉えなければなりません。 国家が一人ひとりの市民に生活の質、安全、等しい可能性および将来を保障すれ
ば、我々は国を愛し、国に対する誇りを感じます。 こうしたアプローチのみが、愛国主義および愛国教育の問題に対するプラグマティ
ックで現実的な視点を我々に与えるのです。 我々は2050年までに、全カザフスタン国民が、明日に、未来に、確固たる自信を持
てるような政治システムを構築する必要があります。 我々の子どもや孫たちは、外国よりも自分の国の方がはるかに良いという理由によ
り、祖国での生活を望まねばなりません。全国民が、自分の土地の主であるという感 覚を持たなければなりません。
 
 
2. 全ての民族の権利平等 我々は皆、等しい権利と等しい可能性を持つカザフスタン国民です。 新しいカザフスタンの愛国主義は、民族の違いを超えて、社会全体を統一するもの
でなくてはなりません。 我が国は、多民族社会です。民族間の問題において、いかなるダブル・スタンダー
ドもあってはなりません。 国家においては、皆が平等でなくてはなりません。民族や他の特徴を理由に善人あ
るいは悪人であると判断してはなりません。 私にとってこの問題は、表面的なものではありません。仮に誰かが民族的特徴によ
り傷つけられたなら、全カザフスタン国民が傷つけられたと考えねばなりません。 どの民族も優遇されることはありませんし、優遇されるべきではありません。誰も
が等しい権利と義務を有するのです。 我々は、等しい可能性を持つ社会、法の前に皆が平等な社会を建設しています。 我々は、入学、就職、出世が民族によって決まるなどと、考えることすら決して許
されません。 私は、政府と首長が労働政策の規律を整備するよう要求します。職場、特に地方行
政機関では、民族に関係なく優れた人材を採用する必要があります。基準は、モラル の高さと専門性のみです。あらゆるレベルの省庁および地方行政府の職員採用時にみ られる偏りを是正する必要があります。
我々の社会には、「余計者」または「よそ者」、「身内」や「他人」があってはな りません。我々は国民を一人たりとも「船外」に残すことはできません。全カザフス

タン国民が政府の助けと支えを実感しなければなりません。 国民の民族間合意に「楔」を打とうとする者は皆、法に問われなければなりません。 ここで特別に責任を負うべきは、我々カザフ人です。 我々は、単一民族国家の時代が完全に過去のものとなったことを、理解しなくては

なりません。 カザフスタンは我々の土地です。これは我々の祖先が遠い昔から所有してきた土地
です。我々の子孫が所有することになる土地です。そして我々は、我々の土地を平和 と平穏が支配するよう、直接的な責任を負うのです。
我々は自らの土地の真の主として、客好きで、愛想が良く、気前が良く、我慢強く あらねばなりません。
もし我々が強大な国となった我が国を見たいのならば、我々は自分でボートを揺ら したり、脆い平和や秩序を乱したりするべきではありません。
我々は、我々の豊かな土地に反目や恐怖の種を蒔くことを、誰にも許してはなりま せん。
あなた方は、平和および合意のなかで生活するという、私の要求および時代の要請 を覚えておかねばなりません。国内外には数多くの異なる勢力が存在し、「民族間分 裂」のカードを切ろうとしたり、内部から我々の平安を乱そうとしたり、我が国の安 定を妨害しようとしたりしています。
彼らの言いなりになってはいけません! 我々は向上し、立派な人間にならねばなりません。その時初めて、我々は尊敬さ
れ、我々の歴史、文化、伝統、言語が尊重されるようになるのです。
 
 
3. カザフ語と諸言語の三位一体 責任ある言語政策は、カザフスタン国民を結集する主な要因の1つです。 (1) カザフ語は、我々の精神的根幹です。
我々の課題は、カザフ語をあらゆる分野において積極的に使用し、発展させること です。我々は、我々の祖先の何世代もの経験に我々の顕著な痕跡が調和的に加わる現 代語を、我々の子孫への遺産として残さねばなりません。これは、自尊心を持つ人々 が自分で考えるべき課題です。
国としては、国家語のステータスを強化するために多くのことを行っています。カ ザフ語の普及に向けた総合的施策の実施を継続する必要があります。
•     我々は、2025年から我が国のアルファベットのラテン文字アルファベットへの移行

に着手する必要があります。これは国民が決めるべき重要な問題です。過去にも我 々はこれを実行したことがあります。 我が国の子どもたちの未来のため、我々はこの決定を下さねばなりません。これは 我が国が世界に統合するための条件、我々の子どもたちが英語やインターネットの 言語を学びやすくする条件を整えるものであり、何より重要なことに、カザフ語の 現代化のきっかけとなります。
•     我々はカザフ語の現代化を実施しなくてはなりません。カザフ語を現代的なものに し、用語の諸問題に関する合意を形成し、定着した国際的な用語や外来語をカザフ 語に翻訳する問題に最終的な決着をつける必要があります。これは誰かが独自に決 めるべき問題ではなく、政府が取り組むべきです。 世界中で同じように使用される用語があり、それらにより、どの言語も豊かになっ ています。我々は自分で自分の生活を複雑にしはじめ、頭を混乱させ、古代の遺物 の中を動きまわっています。このような例は少なくありません。 私は、最低数百冊の現代語で書かれた現代の書籍のリストを作成し、これらを現代
的なカザフ語に翻訳するよう、提案します。若者たちにコンクールを呼びかけ、彼ら にとって興味があり有益なものを提案してもらう必要があるかもしれません。
*** カザフ語発展政策により、カザフ人までもがカザフ語に拒否反応を示すようなこと
にならないようにしなければなりません。逆に、言語はカザフスタン国民を結集させ
るものとならねばなりません。そのためには、言語政策を正しく一貫性をもって進め る必要があり、カザフスタン国民が話すいかなる言語も制約してはなりません。
我々の政策では、2025年までにカザフスタン国民の95%がカザフ語を習得しなけれ ばなりません。
そのため、現在、あらゆる条件が整備されています。 すでに現在、国内では60%以上の小中学生が国家語による教育を受けており、全て
の学校においてカザフ語が教えられています。つまり、子どもが今年小学校に入学す れば、10~12年後には全員がカザフ語を話せる新世代のカザフスタン国民が生まれる ことを意味します。
このようにして、2025年にはカザフ語が生活のあらゆる場面において支配的となり、 日常的なコミュニケーションの言語となります。そしてこれは間違いなく我が国の最

も重要な成果となります。我々の主権、我々の独立が、ついに、国民を強固にし、結 束させるもの、つまり母語を手に入れるのです。それは我が国の主権という王冠の中 心をなすダイヤモンドです。
 
 
(2) 現在、我々は、我が国の子どもたちがカザフ語とともにロシア語や英語を積極 的に学ぶために必要な条件を整備するため、積極的な施策を講じています。
トライリンガルは国家レベルで奨励されなくてはなりません。 我々は、ロシア語とキリル文字をカザフ語と同様に大切に扱わねばなりません。ロ
シア語を使いこなせることが我が国民の歴史的な利点であることは、誰の目にも明ら かです。
カザフスタン人は100年以上に渡り、まさにロシア語を通じて知識を増やし、国内外 において交流および視野を広げてきたという事実を無視してはなりません。
我々は急いで英語を学習しなければなりません。この現代世界の「共通語」を習得 すれば、国民一人ひとりにとって人生の新たな果てしない可能性が開かれます。
 
 
4. 文化、伝統、独自性
伝統と文化は、国民の遺伝子コードです。 我が国に住むカザフ人および他の諸民族は、帝政、革命の動乱および全体主義によ
る苦しみや不幸があったにもかかわらず、自分たちの文化的独自性を守ることができ ました。
さらに、独立後にはグローバル化や欧米化があったにもかかわらず、我々の文化的 基盤は明らかに強化されました。
カザフスタンは、個性的な国です。我々の社会では、極めて多様な文化的要素が、 特異に融合し、補完し合い、相互に吸収し合っています。
我々は、この多様で壮大な我々の文化と伝統を守り、我々の文化財産を注意深く収 集しなければなりません。
歴史が示すように、国が強いのは、国民が団結している時だけです。従って、カザ フ人の団結は、我々にとって極めて重要な問題なのです。
 
我々を除いて、強いカザフスタンの建設に誰が関心あるでしょうか?答えは明白で す。
歴史の様々な局面で全ての民族が直面した問題に、いま我々は直面しています。こ

れを克服した者は、強い国民および国家となりました。 私は国民のリーダーとして、カザフスタン国内の団結を破壊しようとする勢力が現
れたことを危惧しています。 意識的であれ無意識であれ、その言いなりになる者は、様々な特徴により、特に家
系図により、分裂し始めます。 家系図の伝統の本質を忘れてはなりません。これは単独の一族や部族で終わるもの
ではありません。家系図とは、共通の根に至る世代の樹です。家系図は、我々の根が 共通であること、我々カザフ人は皆一つであることを示し、証明しているのです。家 系図は、我々を分裂させるのではなく、統一するものです。
私は、民族が人工的に「nagyz kazakh」と「shala kazakh」に分けられていること を心配しています。このようなことをする者が、社会を分裂させる者が、私にはとて も恥ずかしいです。祖国への愛という神聖な理念の陰でこのようなことがなされてい ることは、危険です。
我が国の若者たちは、どこにいようとも、1人の親、1つの民族の子どもとして、 互いを評価し、愛し合うことを学ばねばなりません。
 
 
5. 知識層の役割
我々は、精神的な問題が経済的・物質的な問題に劣らず重要な意味を持つ国家体制 の発展期に入ろうとしています。
精神の発展において主要な役割を担うのは、いつも知識層です。
「カザフスタン2050」は、先進的理想の社会でなければなりません。 知識層こそが、我が国社会の現代的な考え方の基盤を提供せねばなりません。
(1) 知識層は、国家が成熟した段階において国民共通の価値を強化する原動力とな らねばなりません。
我々は、我が国の若者が目指すべき新たな現代の英雄を提示し、生み出す必要があ ります。
(2) 知識層は、新しい政策方針「カザフスタン2050」の私のビジョンに基づき、国 の精神および世界観にかかる将来像を設計するにあたり、重要な役割を担うことがで きるし、担わねばなりません。
(3) 我々は国民の歴史意識を形成する作業を継続しなければなりません。 全カザフスタン共通のアイデンティティが、国民の歴史意識の軸とならねばなりま
せん。

今日、どの民族や宗教に属するカザフスタン国民も、等しい権利を持つ国民です。 カザフスタン国民および国家語は、発展途上にあるカザフスタン国民の同一性を統
合する核となります。 我々は、「私はカザフスタン人で、私の国では私にとって全ての扉が開かれてい
る!」と誰もが言える平等社会を建設します。 今日、我が国民には、全ての扉、全ての可能性、全ての道が開かれています。 我々は大勢ですが、皆、1つの国、1つの国民なのです。 国の役に立ち、祖国の運命に責任を負うのは、全ての責任ある政治家、全てのカザ
フスタン人にとって、義務であり名誉なのです。 我々は、団結と合意の価値を、社会の基礎、特別なカザフスタン的寛容の基盤にし
ました。 我々は、この価値観を、カザフスタンの後に続く世代に大切に伝えていかなければ
なりません。
 
 
6. 21世紀のカザフスタンにおける宗教 今日、我が国にとって伝統的でない宗教や似非宗教思想の問題が深刻化しています。 我々の社会の一部は異質な似非宗教の作用に対して免疫が弱いため、一部の若者た
ちはこの異質な人生観を盲目的に受け入れています。 我が国の憲法が信仰の自由を保証しているのは事実です。しかし周知のように、制
限のない自由は存在しません。それはカオスです。全ては憲法と法律の枠内に収まら ねばなりません。
誰にでも選択の権利があります。宗教の選択には、非常に責任をもって対応する必 要があります。生活様式、慣習、そしてしばしば全人生が、これに左右されるからで す。
今日、膨大な情報が溢れるインターネットとハイテクの時代には、人間の内部の「 フィルター」が不可欠です。
内部の「フィルター」は、問いかけねばなりません:我々の母親、姉妹、娘たちが、 他の民族の衣服を着たり、スカーフを被ったりする必要があるだろうか?我々と1つ のテーブルで食事をしない必要があるだろうか?自動車を運転させない必要があるだ ろうか?これは全て他の民族の古い伝統であり、こうした風習は我々の草原において は、一度もみられなかった習慣です。古典を読んでください。映画を見てください。
我が国の女性たちは、民族の誇りや伝統衣装を持っていますが、男性たちがその謙

虚さをしばしば悪用するのです。 我々は、イスラム共同体の一部であることを誇りに思います。これは我々の伝統で
す。しかし我々は、我々には世俗社会の伝統もあり、カザフスタンが世俗国家である ことを忘れるべきではありません。
我々は国の伝統や文化規範に合った宗教意識を形成しなければはなりません。我々 は最も良い行動様式を選択しなければなりません。私が発表しているこの戦略は、我 が国民が中世ではなく21世紀に生きるためのものです。
***
国家および国民は、急進主義、過激主義、テロリズムのあらゆる形態および現象に
対して、統一戦線を張らねばなりません。
特に危惧されるのが、いわゆる宗教的過激主義の脅威です。聖職者もこの危惧を共 有しています。
神への深い信仰が攻撃的で破壊的な狂信に取って代わられるのを、我々は許しては なりません。
盲目的な狂信は、平和を愛する我が国民の心理やメンタリティにとって全く異質で す。これはカザフスタンのイスラム教徒が従うハナフィー学派に反するものです。
カザフスタンにおける過激主義やテロリズムは、思想ではなく犯罪を基盤とするも のです。似非宗教のレトリックの陰に社会の基盤を損なう犯罪行為が潜んでいるので す。
これは我が国の平和と安定に対する攻撃です。我々の国家体制と国民の成熟の強度 を試しているのです。
•     我々は、宗教的急進主義および過激主義を無力化するための法律を整備しなければ なりません。また我々は反テロ法の整備も行わねばなりません。過激主義や急進主 義がどこから発生したものであっても、国家はこれを根絶しなければなりません。
•     我々は、社会的、民族的、宗教的な緊張と対立を克服する、新しい有効なメカニズ ムを形成しなければなりません。非伝統的な宗派や怪しい似非宗教思想の活動を厳 格に断つ必要があります。
•     我々は社会、特に若者たちに対する、宗教的過激主義の予防措置を強化する必要が あります。
•     世界伝統宗教指導者会議の利点も活用する必要があります。我々は、この対話の場

をベースに、宗教による対立を解消するための新たなプラットフォームを築かねば なりません。
•     我々は、地域のホットスポット、拡大中東地域、そして更にグローバルなレベル で、宗教・民族紛争を解決するための仲裁者となる準備をする必要があります。 我が国の世俗的性質は、カザフスタンの発展を成功させるための重要な条件です。 現在および将来のカザフスタンの政治家および全てのカザフスタン国民は、このこ
とを明確に理解しなければなりません。 政府は大統領府と協力し、宗教的過激主義・テロリズム対策国家プログラムを立案
するよう指示します。 同時に、私は国民に警告したいのです。過激主義との闘いが魔女狩りや宗教との闘
いに転化したりすることがあってはなりません。 宗教の問題については、思慮深いアプローチと細心の注意が不可欠です。国家は宗
教共同体の内部の問題に介入すべきではありません。我々は、良心の自由の原則、ま た許容性や宗教的寛容性の伝統に、無条件に従わねばなりません。
 
 
尊敬するカザフスタン国民の皆さん! 同胞の皆さん!
 
 
今日、私はこのメッセージを通して皆さん一人ひとりに呼びかけています。 我が国は大きな課題に直面しています。そして私は我々の成功を確信しています。
 
 
7. 私が考えるカザフスタンの将来 私は、カザフスタンの将来についてどのように考えているでしょうか。 2050年のカザフスタン人は、教養があり、自由で、3カ国語を話す人々の社会であ
ると、私は強く確信しています。 彼らは世界の市民です。彼らは旅行します。彼らは新しい知識に対してオープンで
す。彼らは勤勉です。彼らは愛国者です。 私は、2050年のカザフスタンは全国民労働社会であると確信しています。それは強
い経済を持つ国家であり、全てが人のためになされます。そこには優れた教育、優れ た医療があります。そこを支配しているのは平和と平穏です。そこでは国民は自由か つ平等で、権力は公正です。そこには法の支配があります。

私は、我々は正しい方向に進んでおり、何者も我々を正しい道から踏み外させるこ とはできないと確信しています。
我々が強くなれば、我々は尊重されるようになります。 もし我々が奇跡に期待したり他人を当てにしたりするようなら、我々は得たものを
失います。 そして今日、我々は唯一の正しい選択をしなければなりません。
*** 新しい戦略的方針「カザフスタン2050」の実施に対する特別な責任は、誰よりもカ
ザフ人にあります。
時代の挑戦に対する適切な回答は、言語、精神、伝統、価値といった我々の文化的 コードを保持しなければ出せないということを、我々は忘れるべきではありません。 特に若者にとって理解できる言葉で話しましょう。コンピュータのプログラムに障 害が発生するのはどのような場合でしょうか?プログラムコードに問題があった場合 です。人生も同じです。国民が自らの文化的コードを失えば、国民全体が破壊されま
す。このようなことを許してはいけません! 私は、我々の立派な歴史、我々の栄えある祖先の記憶が、我々が今後の困難を克服
する助けになると信じています。歴史が証明しています。困難な時代に我が民族は常 に団結し、災難を自らの勝利に転じてきました。
300年近く前、カザフ人はアヌィラカイの地に集結しました。この時、我々の土地に 対する忠誠心と良識が勝ったのです。我々の祖先がこの偉業を成し遂げたのです。
我々が今後の困難からいかに脱するかも、我々、そして我々の団結にかかっていま す。我々の祖先は、いたずらに「祖国の暖かさは炎より熱い」と言ったわけではあり ません。
私は、年長の世代に呼びかけます。皆さんの知恵は、若い世代が正しい道を歩み、 祖国を愛する助けとならねばなりません。
私は、中間の世代に呼びかけます。あなた方は一国の崩壊と独立国家の復活を経験 しました。これは複雑で困難な時代でした。あなた方の経験は、我々が災難を乗り越 える助力となる貴重な財産です。
最後に、若者たちに呼びかけます。あなた方は、我々皆が未来に託した希望そのも のです。今日我々が行っていることは全て、あなた方のために行っているのです。皆

さんの多くは、独立国家カザフスタンと同じくらいの年齢です。しかし2050年には、 皆さんは、このプログラムの実施に参加した成熟した国民となっているでしょう。そ の後の国の進路を決めるのは、あなた方です。

あなた方は、我々の時代にはなかった、独立国という環境で育ちました。皆さんの 新しい独立した思考は、現在の我々には遠くて手が届かないように思われる、新たな 目標に国を導く要因となります。
私は、熱意、勤勉、目的意識といった不変の資質で武装するよう、全国民に要請し ます。それらは、我々が耐え抜き、我が祖国に立派な未来を築くことを助けるでしょ う。
私はあなた方を信頼しています。私は、我々が新たな歴史的可能性を逃すことはな いと信じています。

хроника 2050

МСБ будет производить не менее 50% объема ВВП

Производительность труда будет увеличена до 126 тысяч долларов 100-процентный охват казахстанских детей от 3 до 6 лет дошкольным образованием

Казахстан будет полностью обеспечивать собственный рынок ГСМ в соответствии с новыми стандартами экологичности

Доля несырьевого экспорта в общем объеме экспорта должна увеличиться в два раза и в три раза к 2040 году

Начнется перевод нашего алфавита на латиницу

95% казахстанцев должны владеть казахским языком

На 15 % посевных площадей будут применяться водосберегающие технологии

Будет решена проблема обеспечения населения водой для орошения

Показатель объёма ВВП на душу населения достигнет 60 тысяч долларов

Доля городских жителей РК вырастет до 70 % от всего населения